もう1人のマスターと魔法界【MASHLE】【Fate/GrandOrder】

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「Aの声に応えたのはなぜだか最初は分からなかったんです」


星のように光るその場所にAと騎士王＿アルトリア・ペンドラゴンは寝そべる。
どういう原理なのか宇宙空間のようなその場所の中で二人は手を握ったまま横になっていた。

語られたのはAがカルデアに保管されていた霊基と共鳴した時の話。
その時はアルトリアは召喚されてすらいなかったが、Aが最初に共鳴したのは彼女だったのだ。


「子供の声が座にいた時に聞こえたんです。
本来なら聞こえるはずないのです……聖杯戦争でもなく、召喚もでないですから」

『………』

「子供の声は淡々としていてでもどこか渇望するような声にも聞こえました。
私は渇望するような声に応えました」


Aの魔術は「共鳴魔術」
相手の意思なく共鳴することができるが、この魔術には相手の意思が関係すると少し変化が起きる。
それは相手の意志と自分の意思が共鳴した瞬間、その効果が倍以上に発揮されることである。

Aのマリスビリーの役に立ちたい声とアルトリアのAのために応えようとする意思がその瞬間共鳴したことで彼女に変化が起きた。


『約束された勝利の剣(エクスカリバー)の力……』

「はい。数多の英霊(サーヴァント)と共鳴しているAの中でも、最も共鳴が強いアルトリア・ペンドラゴン(私)の力は更に強力になります」

『………』

「それでも、Aのその身体にはかなり綻びを生じさせます。」

『それでも私はマッシュさんを助けます』

「大切な家族…ですね」

『はい。"死んだ(・・・)"私を助けてくれた彼を私は守り続けます』

「………本当は幸せになって欲しいです。
貴女はその身体をマリスビリーの願いだけで造り変えられた……
本来なら藤丸やマシュと共に普通の生活を送るべきなんです」

『……私はあの生活だけでも眩しく思いました。
だから、私は充分幸せです』


普段から表情を変えないAの顔がどこか柔らかく感じる。
アルトリアはどこかやるせなさを感じながらもAを抱きしめる。


「忘れないでください。離れていても、違う世界にいたとしても私はAの味方で貴女の剣です」

『……はい。ありがとうございます
我が騎士王＿アルトリア・ペンドラゴン』


ゆっくりと眠るように目を閉じる。



















「おはよう…Aちゃん」

『おはようございます。マッシュさん』


自分を守ってくれた小さな手をマッシュは力強く握る。
もう離さないために。

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