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「あの申し訳ないんですけど食べるんで返していただきたいです」


しかし、マッシュの願いは無慈悲に終わり、青年は頭についたシュークリームを地面へ投げ捨てる。
これにはマッシュも「ガーン」とショックを受ける。

だが、青年はいきなり頭をおしえる。
その動きはまるで頭痛を感じたかのようだった。
青年はこの頭痛に心当たりがあったが、マッシュを見て「(えっ、えっ……?)」と内心困惑していた。


「……まぁいい。まずは当初の目的、アベルを予定通り殺す!」


青年が杖を構えたと同時に黒い棘はアベルへと向かう。
Aはポケットからいくつかの宝石を取り出して宙へ投げる。
宝石はシールドのように展開されるが、質量がある棘はそれを突き破る。

咄嗟に手を出したAだったが棘は彼女の脇腹を抉り、アベルへと牙を向く。
しかし彼を守るように水色の髪が揺れる。


『アビス、さん』

「良かった……アベル様、Aさん…」


血を吐き出しながら苦しげに息をするアビスにAは謎の感覚を思い出す。
まだ数回しか会っていない人間なのに、刃を向けてきた人間なのに、何故か、何故かとてつもなく牙を向けてきた金髪の青年へ向けてなのか、頭から足の爪先までぐつぐつの煮えるような感情を覚える。

マッシュはどこからかうさぎ柄のハンカチを取り出してアビスへと渡す。


「(あのキノコ頭…寸前で僕に石を投げて軌道を逸らしやがった……
それに、あの女……防御魔法なのか質量を減らした)」

「Aちゃん…血が」

『大丈夫です』


脇腹から出血しているのにAの視線は青年へと突き刺さる。
その瞳は感情を表に出さない彼女にしては珍しく人を殺そうとする冷徹ささえ感じた。

マッシュの頭の中に赤信号が出る。
このままAを戦わせたらこれ以上に出血は避けられなくなる。
そうなったら彼女は死んでしまうと危険信号が出される。


「僕がやるよ」

『では私も…』

「…お願い、ここで待ってて」


進もうとするAの肩を掴んで座らせる。
彼女の意思は感じる。
短い期間とはいえマッシュも彼女と過ごしてきたから、Aの気持ちはわかる。
でもこれ以上はマッシュ自身も曲げられなかった。


「ふん、健気だな。…………キメェんだよそういうの」


この一言にマッシュはキレた。

・→←もう1人のマスターと魔術師の本質



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天どん(プロフ) - アカツキさん» わぁぁぁあ😭😭😭ありがとうございます!!「面白い」という言葉だけで寿命が伸びてます😭😭😭少しずつですが頑張っていきます!! (3月31日 19時) (レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - この作品すごく面白いです!!更新頑張ってください (3月31日 19時) (レス) @page2 id: f577ddf0c2 (このIDを非表示/違反報告)
天どん(プロフ) - 紅琥珀白桜さん» ありがとうございます!!この作品と出会ってくれたことと一気に読んでくれたことに感謝いっぱいです😭少しずつの更新ですがよろしくお願いいたします!! (3月31日 16時) (レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)
紅琥珀白桜(プロフ) - 今日見つけて一気見しました、面白かったです!更新待ってます! (3月26日 23時) (レス) id: ec130343fe (このIDを非表示/違反報告)
天どん(プロフ) - なめこ汁さん» ありがとうございます!本当に少しづつになっていますが頑張っていきますので何卒!! (3月23日 11時) (レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天どん | 作成日時:2024年1月8日 0時

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