・ ページ5
「来たかいはあった」
『…美味しいですか?ゴブリンシュークリーム』
「うん。1口食べる?」
『では、いただきます』
マッシュの持つシュークリームを1口食べる。
しっかりとした生地にほんのり甘いクリームの塩梅がいい。
限定シュークリームとだけあって美味しさもさらに感じられる気がした。
『美味しいです』
「ね、買えて良かったよ」
『……』
また嬉しそうに食べるマッシュを横目に、Aは考える。
クリームの甘さは感じられたが何となくとしか感じられなかった。
『(味覚は前の世界のまま…シュークリームだからかなり甘いとは思うけど、”何となく”甘いという感じにしか認識できない)』
Aは若干、味覚を感じにくい身体になっていた。
拾われた頃は味覚など既になく、養父が亡くなり、第一特異点の後に召喚されたエミヤなどの尽力もあったことで味覚は”何となく”の部分まで感じられるようになった。
「おいしー、おいしー」
嬉しそうに頬張っているマッシュを見て、前の世界で二人の先輩が美味しそうに頬張っているのを思い出し『(人が美味しそうに食べるのは好きだな)』と思った。
その瞬間、目の前に人がいたことに気づくのが遅れ、マッシュとぶつかってしまった。
「あっ、すみません」
「オイオイオイ!何してくれてるんだ、職務中なのによォ!」
『職務中に飲酒はモラルに欠けていると思いますが』
「なんだとぉ!?」
聞けばぶつかってきて男性は魔法警察らしく、安月給で働いているとの事。
そんな喚くように叫ぶ男性が可哀想に見えたのか、マッシュは「シュークリーム食べます?」と食べかけのシュークリームを差し出した。
「なめてんだろ!このクソガキがァ!」
手で払われシュークリームは地面に無惨にも落ちてしまった。
「服はどうしてくれるんだ!」と喚く男性にマッシュは左肩から右脇腹に向け服を引きちぎった。
「申し訳ないんで洗って返します。この服」
『服というにはあまりにも悲しい布切れになりましたが、私も賛成です。
洗ってお返ししましょう』
「服じゃなくなったわ!お前のせいでね!」
「どうしたテリー」
男性の後ろから似たような制服を着た男性が現れる。
ブラッド・コールマンは冷めたように見下してきている。
「つまんねぇことで騒ぐんじゃねぇ」
270人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天どん(プロフ) - アカツキさん» わぁぁぁあ😭😭😭ありがとうございます!!「面白い」という言葉だけで寿命が伸びてます😭😭😭少しずつですが頑張っていきます!! (3月31日 19時) (レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - この作品すごく面白いです!!更新頑張ってください (3月31日 19時) (レス) @page2 id: f577ddf0c2 (このIDを非表示/違反報告)
天どん(プロフ) - 紅琥珀白桜さん» ありがとうございます!!この作品と出会ってくれたことと一気に読んでくれたことに感謝いっぱいです😭少しずつの更新ですがよろしくお願いいたします!! (3月31日 16時) (レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)
紅琥珀白桜(プロフ) - 今日見つけて一気見しました、面白かったです!更新待ってます! (3月26日 23時) (レス) id: ec130343fe (このIDを非表示/違反報告)
天どん(プロフ) - なめこ汁さん» ありがとうございます!本当に少しづつになっていますが頑張っていきますので何卒!! (3月23日 11時) (レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:天どん | 作成日時:2024年1月8日 0時