もう1人のマスターと右手の指輪 ページ30
※1部終局特異点後のネタバレ若干あります
Aは1人学校の敷地内の森の中でぼーっとしていた。
大きな木に身体を寄りかからせながら、ただぼーっと空を見ていた。
雲はポツポツあるものの太陽からくる陽射しが気持ちよく、ウトウトと眠くなってきた。
前はよくマッシュと日向ぼっこしながら森で寝ていたが、今はなかなか出来なくなってきたため1人で日向ぼっこをしていた。
日光浴というものは人間に大変素晴らしいものを与えてくれる。
まず、ビタミンDを生成する。
これにより骨や筋肉を強くするため免疫力向上にも繋がる。
また、脳内でセロトニンが分泌される。
セロトニンは脳内の神経伝達物質で精神を安定させる働きがある。
『ぽかぽか…あったかい……』
そのため、Aは日光浴を行っていた。
環境が変わることで人間は多大なストレスを受ける。
過酷な環境で過ごしながら太陽が出ていた日は藤丸やマシュ達と日光浴をよくしていた。
だからAは眠気に誘われていた。
『ねて、しまう……』
抗いも虚しくAは横になって胎児のように丸まって眠った。
・
・
・
「Aちゃん、おはよう」
丸まりながらAはゆっくりと目を開ける。
しかし、眠気に抗えない目はどこかぼんやりとしていた。
視界に入ったのは淡い橙色のポニーテールの男性。
瞬きを一回して映るそこは一部が三つ編み長髪の男性。
彼は自ら膝をつき、Aの右手を掬い包み込むようにして握る。
Aは何か言葉を発しようとするが、なぜか言葉は空気となって上手く出ない。
「ごめんね。喋れないよね」
彼は慈愛に満ちた瞳でAを見る。
彼の握る手はある一点に注がれる。
「ありがとう。
悲しそうな、でもどこか嬉しそうな笑みを浮かべる。
「君を苦しませたくなかったのに、ずっと君を苦しませてた。
助けられなかった、ずっと見て見ぬふりをしていたんだ」
これはどちらの謝罪なのか。
あの時、人の命を奪ったところを見ていた”彼”なのか。
それとも、お義父様からの人体実験を受けてた時に自分を診てくれた”彼”なのか。
そんなのAからしたらどっちでも良かった。
だって、今目の前に、夢だとしても会いたい人に会えたから。
Aは左手を伸ばし彼の頬に触れる。
変わらず口からは空気しか出ない。
でも、十分だ。
『”＿＿＿＿＿”』
「……っ」
”ありがとう”
このたった5文字だけで彼は救われた気がした。
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天どん(プロフ) - アカツキさん» わぁぁぁあ😭😭😭ありがとうございます！！「面白い」という言葉だけで寿命が伸びてます😭😭😭少しずつですが頑張っていきます！！ (3月31日 19時) (
レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - この作品すごく面白いです！！更新頑張ってください (3月31日 19時) (レス) @page2 id: f577ddf0c2 (このIDを非表示/違反報告)
天どん(プロフ) - 紅琥珀白桜さん» ありがとうございます！！この作品と出会ってくれたことと一気に読んでくれたことに感謝いっぱいです😭少しずつの更新ですがよろしくお願いいたします！！ (3月31日 16時) (レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)
紅琥珀白桜(プロフ) - 今日見つけて一気見しました、面白かったです！更新待ってます！ (3月26日 23時) (レス) id: ec130343fe (このIDを非表示/違反報告)
天どん(プロフ) - なめこ汁さん» ありがとうございます！本当に少しづつになっていますが頑張っていきますので何卒！！ (3月23日 11時) (レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天どん | 作成日時：2024年1月8日 0時
