もう1人のマスターと命の声 ページ21
※人を殺 した表現があります。
※怪我の表現があります。
[A・アニムスフィア]
突如聞こえたその声にAは目をゆっくり開く。
目の前は真っ暗でまるで闇のようだったが、少しずつ景色が変わっていく。
それはAの故郷だった。
『冬木…』
[そうだ、A・アニムスフィア]
目の前から伸びてきた手はAの首を捕え力が込められる。
[我らの魔術回路を奪った小娘よ]
[我らの命を葬った少女よ]
[我らの未来を閉ざしたカルデアのマスターよ]
聞いたことのある声が3つ。
それは、Aがマリスビリーと出会った時に魔術回路を、命を奪った3人の魔術師の声だった。
夢か、現実か、呪いか。
Aは分からぬまま首を絞められていた。
首を絞められながら言葉を振り絞る。
『復讐、ですか？』
[そうとも言えるが、そうとも言えない]
[なぜ貴様は気づかない]
[そうだ、なぜ分からない。己の過ちに]
『過ち…』
それは、やはり自分がこの3人の命を終わらせたことだからか。
マリスビリーに言われたとはいえ手を染めたのは、罪を犯したのはA自身。
言い逃れも、言い訳もするつもりはなかった。
[貴様は“魔術師“として未熟]
[なぜこの変化に気づかない]
『変化………？』
先程から気になっているのは、この声色だった。
復讐をする人間にしては覇気を感じられない。
まるで何かを示しているようにも聞こえる。
だが、分からない。
[お前は”根源”に近づいているのに気づかないとはやはり未熟]
[その力を理解し、使ってこそ魔術師だ]
どんどん言っていることが分からなくなってきていた。
Aの思考が定まらなくなってきた時、後ろから光が差す。
光から現れた手はAの首を掴んでいた手に話すように掴む。
その手から離れAは重力に抗えぬまま闇の奥底に落ちていった。
『……っ！』
焦ったように目を覚ましたAは荒い呼吸をする。
呼吸を落ち着かせながらAは己の手を見る。
怪我を重ねすぎたその手はお世辞にも綺麗とは言えなかった。
あの夢はなんだったのかと考えた時、Aは自分の腕が前と違うことに気づく。
『令呪が増えてる…』
今まで手の甲に3画しかなかった令呪は肘に来るほどまでいくつもあった。
数を数えればこの世界に来てからの日数と重なっていた。
自分のことに無頓着とはいえ、気づけなかったことにAは息を吐いた。
『…あの人たちはこのことを言っていたの？』
Aの声は誰にも返されることなく静かに響いた。
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天どん(プロフ) - アカツキさん» わぁぁぁあ😭😭😭ありがとうございます！！「面白い」という言葉だけで寿命が伸びてます😭😭😭少しずつですが頑張っていきます！！ (3月31日 19時) (
レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - この作品すごく面白いです！！更新頑張ってください (3月31日 19時) (レス) @page2 id: f577ddf0c2 (このIDを非表示/違反報告)
天どん(プロフ) - 紅琥珀白桜さん» ありがとうございます！！この作品と出会ってくれたことと一気に読んでくれたことに感謝いっぱいです😭少しずつの更新ですがよろしくお願いいたします！！ (3月31日 16時) (レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)
紅琥珀白桜(プロフ) - 今日見つけて一気見しました、面白かったです！更新待ってます！ (3月26日 23時) (レス) id: ec130343fe (このIDを非表示/違反報告)
天どん(プロフ) - なめこ汁さん» ありがとうございます！本当に少しづつになっていますが頑張っていきますので何卒！！ (3月23日 11時) (レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天どん | 作成日時：2024年1月8日 0時
