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青年の言葉にAは『えっと』とこぼす。


「この参考書を使ってことは、1年の魔法薬学の授業だろ」

『はい、レポートを纏める時に教科書に書いてあったのですが説明が少し分かりにくく参考書でもう少し噛み砕きたく』

「だろうな。教科書に書いてあるのは学生が知る範囲だからあの程度しか書いてねぇんだよ」

『…教えていただける、ということでしょうか?』

「ここに目をつけるやつはなかなかいねぇ、耳かっぽじって聞けよ後輩」


ニヤリと笑った青年は目の付け所が他の生徒と違うAを面白いと思った。
Aは『よろしくお願い致します』と頭を下げる。


『A・アニムスフィアです』

「ワース・マドルだ」






ワースから教わりながら、Aは一語一句逃さずメモしていく。
参考書の説明をさらに噛み砕いてくれるなどワースは教えるのも上手かった。
Aも分からないところは直ぐに質問できる素直さもあり、教えたことはスポンジのように吸収していくため教えがいがあった。


「…とまぁ、オレが教えられるのはこのくらいだ」

『ありがとうございます。とても分かりやすかったです』

「おう。嬉しいこと言ってくれんなぁ」


敬語も使えて、年上を尊敬する。
まさに真の後輩といえるAにワースも珍しく嬉しい気持ちになる。


本を片付け、別れる時にワースはAの名を呼ぶ。
振り返れば彼の表情は少し曇る。


「神覚者…目指してんのか?」

『はい。どうしてもやりたいことがあります』

「……そうか。…なら、級硬貨(コイン)を集める時は気をつけろよ」


彼の表情に影を感じる。
Aがなにか言葉をかけようとしたが、ワースはAとは反対側の方向へ歩いて行ってしまった。





後日、レポートを出した後に教師から呼ばれ「とてもよくまとめられている」と褒められ銀の級硬貨(コイン)を1枚貰った。

Aは素直に『ありがとうございます』と頭を下げる。
教師も真っ直ぐな姿勢の彼女に「これからも頑張りなさい」と声をかけた。


すぐさまAはワースにお礼を言いに行きたかったが、図書室に行ってもおらず、かといってローブは紫色のレアン寮。
簡単に行くことも出来なかった。

それにあの時、言った言葉もワースの表情も気になった。

彼が言っていた本当の意味を知ることになるのはしばらくあとのことだった。

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天どん(プロフ) - アカツキさん» わぁぁぁあ😭😭😭ありがとうございます!!「面白い」という言葉だけで寿命が伸びてます😭😭😭少しずつですが頑張っていきます!! (3月31日 19時) (レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - この作品すごく面白いです!!更新頑張ってください (3月31日 19時) (レス) @page2 id: f577ddf0c2 (このIDを非表示/違反報告)
天どん(プロフ) - 紅琥珀白桜さん» ありがとうございます!!この作品と出会ってくれたことと一気に読んでくれたことに感謝いっぱいです😭少しずつの更新ですがよろしくお願いいたします!! (3月31日 16時) (レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)
紅琥珀白桜(プロフ) - 今日見つけて一気見しました、面白かったです!更新待ってます! (3月26日 23時) (レス) id: ec130343fe (このIDを非表示/違反報告)
天どん(プロフ) - なめこ汁さん» ありがとうございます!本当に少しづつになっていますが頑張っていきますので何卒!! (3月23日 11時) (レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天どん | 作成日時:2024年1月8日 0時

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