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Aの声にこちらを向いた男性はキョトンとする。
Aは持っていた蜂蜜を1つ男性に渡す。
『良かったらどうぞ』
「え、でも…それは君が先に取ったから君のに…」
『それは………』
聞けば聞くほど、声がそっくりで自分がちゃんと喋れているのか自分の声より自分の心臓の方が音が大きく感じる。
Aは以前、彼に聞いたことを思い出す。
『[なぜ、困っている人をすぐに助けられるのですか？]』
「[え？うーん、そこに困っている人がいるなら助けるのが普通だからかなぁ？]」
『[助けた人が何も見返りを渡さなくてもですか？]』
「[それでも俺は助けるよ]」
柔らかく微笑んだ彼がやけに脳裏に焼き付けるように残る。
そうだ、彼は言っていた。
「[その人が助かれば俺もその人も嬉しいからね]」
『私1人が喜ぶより、貴方も蜂蜜を手に入った方が嬉しいと思ったので』
そう言えば、男性は「そっか、ありがとう」とAの手から蜂蜜を受け取る。
人の良さそうな柔らかい笑みをAに向ける。
「僕は蜂蜜が大好きでね。このお店の蜂蜜は美味しいから、譲ってくれてありがとう」
『いえ、喜んでくれたならなによりです』
「君は僕の恩人だ」
『そこまででは………』
話している間に店の中は少しづつ賑やかになっていく。
Aが辺りを見回せば、客だけでなく定員もA達というよりも男性の方へ向いていた。
「少し目立ちすぎたかな」
『…？』
「良かったら君の分も僕が支払うよ、譲ってもらったしね」
『いえ…そこまでではないので』
「…ここは大人の顔を立てて貰えないかい？」
困ったように眉を下げた男性にAは「遠慮しすぎるのもダメよ！貰えるものは貰っておきなさい！」と脳内の女神様が言っていたため、お言葉に甘えることにした。
残りのシュークリームの材料も買ってもらったため、Aは少し申し訳なくなる。
『残りの分も申し訳ありません』
「いいよ。僕が買ってあげたくて買ったから」
『このご恩はいつかお返しします』
「……じゃあ、またどこかで会おうね」
『では、その時に』
男性は「ああ、そういえば」と思い出したように呟く。
「僕はカルド・ゲヘナ。また会おうね」
『A・アニムスフィアです。またいつの日か』
Aは日本人らしいお辞儀をする。
その時シャツからドックタグが出て、カラン、と鳴る。
離れていくAの背中にカルドは「彼女はもしかして…」と小さく呟いた。
二人が再開するのは案外早いかもしれない。
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天どん(プロフ) - アカツキさん» わぁぁぁあ😭😭😭ありがとうございます！！「面白い」という言葉だけで寿命が伸びてます😭😭😭少しずつですが頑張っていきます！！ (3月31日 19時) (
レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - この作品すごく面白いです！！更新頑張ってください (3月31日 19時) (レス) @page2 id: f577ddf0c2 (このIDを非表示/違反報告)
天どん(プロフ) - 紅琥珀白桜さん» ありがとうございます！！この作品と出会ってくれたことと一気に読んでくれたことに感謝いっぱいです😭少しずつの更新ですがよろしくお願いいたします！！ (3月31日 16時) (レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)
紅琥珀白桜(プロフ) - 今日見つけて一気見しました、面白かったです！更新待ってます！ (3月26日 23時) (レス) id: ec130343fe (このIDを非表示/違反報告)
天どん(プロフ) - なめこ汁さん» ありがとうございます！本当に少しづつになっていますが頑張っていきますので何卒！！ (3月23日 11時) (レス) id: bd657ac435 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天どん | 作成日時：2024年1月8日 0時
