もう1人のマスターと魔法界【MASHLE】【Fate/GrandOrder】

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※流血表現あります。


「じゃが、この先…君より強く状況が覆せないほどの強力な存在と敵対した時君はどうする？例えば……相手がワシだとしても……？」


肌をナイフで刺すような圧倒的強者のオーラ。
少しでも動けば命を取られかねない圧力。

Aの前に現れたのはまるで処刑台のようなところに寝かされた人形。
その人形の命を刈り取ろうとする何か。

ウォールバーグが使った魔法は対象者の1番大切な者の魂を人形に移すことができる。
そしてこのナイフで刺されたものは二度と帰ってこない。
この国ではウォールバーグしか使えない古代魔法。

Aがふと、脳裏に浮かぶのはいつも自分に手を差し出してくれる金色の瞳の青年。
この世界で倒れていた自分を助けてくれた大切な、大切な存在。


脳が指令を出す前にAの身体は動いた。


ゆっくりと落ちてくる大きなナイフを掴んだ。
先程までゆっくりと落ちてきたナイフは回しても動かなくなった。


『“共鳴“』


【共鳴魔術】
Aが「共鳴したい」と思ったものと相手の意思に関係なく共鳴することが出来る。
使い方は様々な場面や状況に臨機応変に対応することができる。


『…！(この大きな者はあくまで“命令“を受けているだけ、だとしたら使用者であるウォールバーグ校長を倒さないと意味が無い)』


Aは掴んでいた力をさらに込めていく。
彼女を中心にふわり、と風が起きる。
Aの全身に魔術回路が浮かび上がっていく。

護身術。
生命力を身体能力に示す。
とあるルーラーに教えてもらい、ついでにプロレス技も教授された。

掴んでいたナイフは少しずつ曲がっていく。
だが、これだけでは足りない。
ただでさえ生命力を身体能力に変換しているため、これではAが先に終わる。
魔力はどうにでもなるが、前の世界の影響もあって生命力だけは難しい。

殺させない。死なせない。終わらせない。
必ず助ける。
善性で他人の見返りなど全く考えない立香さん(あの人)のようなマッシュさんは絶対に守る。
その思考だけがAを動かした。


『凶れ(まがれ)』


Aの瞳が一瞬、赤、緑、桃色とまるで絵の具が混じったような瞳に変わる。
Aが呟いた時…ナイフは90度に折れ曲がった。


『……これで、ナイフは人形をさせません』


先程までナイフを掴んでいたせいで、彼女の手からは血が滴り落ち床に血の水溜まりができる。

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