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51*〈12/25〉 ページ1

あなた、藤野を捨てたんですよね?藤野のために用意した式場で、"運良く空いていた"だなんて言って他の女性と式を挙げて。

僕なら、"どうしても先輩しか頼れない"って言われても断ります。
何故、そんなの知らないって、藤野以外の人間からの要求を断らなかったんですか?
浮気が理由の婚約解消を怒るのが普通ではなく、浮気をしないのが、他の女性からの誘いを断るのが普通です。


藤野がどんな思いで首を縦に振ったか、あなたは未だにわかってない。
どんなに否定しても拒んでも、マミちゃんのお腹の命の存在は変わらない。だから黙ってすべてを受け入れた。

あなたに対する愛がなかった訳じゃない。寧ろ逆でしょう?
藤野は冷静に、新しい命の幸せと環境を最優先にしたのに、あなたは言葉の表面だけを受け取って逆ギレした。そして、あろうことか不倫関係まで持ちかけた。

よかったですよ、物事の本質も見極められないようなあなたと結婚して、DVとモラハラで傷付いてやつれて離婚に至る藤野を見ずに済んで。
マミちゃんには気の毒ですが、それがマミちゃんでよかったですと櫻井くんは一気に言った。


何で櫻井くんがそのことを知ってるの!?


櫻井『一応確認のために言わせていただきます。あなたは藤野にとって過去の人です。

まさか無職のあなたが、“やっぱりオマエしかいない。結婚しよう”だなんて言うおつもりですか?
安心して甘えられないくらい頼りない相手に、生活費の工面まで押し付けられるんですか、藤野は。
そして、そんな関係を周囲が祝福出来るとでも?

今とこの先の藤野の人生にあなたは存在しません。どうぞお引き取り下さい』


・・・取引してた人に無職で頼りにならないって指摘されるとか、恥ずかしすぎでしょ。


櫻井『別れた元婚約者の新しい住所を尾行して突き止めて待ち伏せる。立派な犯罪ですよ?

あなたと藤野は赤の他人です。
それでは。』


櫻井くん・・・

優人は何も言わない。ぐうの音も出ないってこと?


櫻井『ああ、せっかくなので教えてあげます。

弊社の僕らの同期の間では、"男の二宮、女の藤野"という言葉が頻繁に飛び交います。
この二人に頼まれたら絶対に断れない、甘え上手で困るという意味で、後輩にすら"先輩はホントに甘え上手!"ってボヤかれています。

藤野にとって、会社の人間は甘える、頼ることが出来る相手なんでしょうね』


うわ、トドメ(苦笑)。

52*→



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設定タグ:櫻井翔   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:さいか(彩) | 作成日時:2022年12月25日 12時

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