42.瑞希＿＿ ページ45
私はベンチに座り遠くのほうを見ていた。
そうすると特徴的な髪色の何回も見慣れた背丈と髪型。
瑞希だった。
『瑞希？』
私は思わず立ち上がった。
遠くの人型に語り掛ける。
『瑞希＿＿来たよ、ねぇ。』
私は必死に瑞希を見つめようとする、必死に瑞希と会おうとする。
どうにかして、会いたい。
前のことを謝りたい。
まだ、瑞希と＿＿友達でいたい。
暗がりから外れて、瑞希の体が街頭に照らされて色がつく。
瑞希は悲しそうな表情で私を見つめながらこちらへ歩いてくる。
『っ＿＿＿』
ダメだ、言いたいことが多すぎてまとまらないし、わけわからない。
どうしよう、やだ、
思い出したくない、
「あんなやつらといるからよ。」「友達じゃないわ、あの子たちは悪魔、かかわってはいけないわ。」
お母さん、本当にそうですか？
『ヒューっ、はーっ。』
違う、違う、こんな、こんな優しい顔して近づく悪魔を私は知らない。
自分の体に響く動きを止めようとする呼吸音を無視するように意地でも歩く、顔を上げる。
私は、みんなの優しい顔しか知らない。
いつの間にか、瑞希にてを伸ばせば届く距離まで来ていた。
瑞希「Aっ、大丈夫？！」
私は無我夢中で手を伸ばす、瑞希に触れたい、触りたい。
ちゃんと、近くにいるって自覚したい。
『瑞希＿＿！』
私が伸ばした手は瑞希につかまれる。
瑞希「A…一回座ろ？」
瑞希は私のつかんだ手を放そうとはせず、そのまま一緒にベンチに腰を下ろす。
私は、ひたすらに瑞希の顔を眺める。
見つめあうって程じゃないけどこれまで見れなかった分を取り返すように夢じゃないって自分に証明したくて。
瑞希「大丈夫？どうしたの？」
『瑞希だっ、みず、き…会いたかったぁ＿＿＿』
自分の中で押し殺していた多分自分すらわからないうちに閉じ込められていた想いが出てくる。
人はこれを感動というのだろうかそれとも感激？
私の瞳を水が覆っていき、瞼を濡らし、視界を曇らせ頬を濡らして垂れていく。
泣いていた。
瑞希「＿＿A。」
泣いている私を見て瑞希は私を胸に抱き寄せた。
ちょっと前、何なら半年ほど前のことなのに懐かしい、優しい瑞希の匂い、暖かさ。
『っ＿＿わあああ・・・・』
もう耐えることはできなかったし私にそんな選択肢もなかった。
日をまたぐその瞬間の公園に私の泣き声だけが響いていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「プロセカ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こんわた(プロフ) - ファラクさん» コメントありがとうございます！義姉の件ご指摘ありがとうございます。私がその設定忘れてることが多いので気を付けます！素敵な作品と言ってくださりありがとうございます！投稿頑張ります！ (2月13日 18時) (
レス) id: 9dd6d529a0 (このIDを非表示/違反報告)
ファラク(プロフ) - 義理の姉は義姉ですよー素敵な作品なので頑張ってください！ (2月13日 7時) (レス) @page10 id: 7e0cde0c81 (このIDを非表示/違反報告)
こんわた - ソーダ愛すさん» ソーダ愛すさんコメントありがとうございます！面白いですか？感激です！更新頑張っていきますね〜！ (1月8日 18時) (レス) id: 9dd6d529a0 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ愛す - めっちゃ面白いです！更新楽しみにしてます！！ (1月8日 17時) (レス) @page38 id: 73c730aa71 (このIDを非表示/違反報告)
こんわた - はる！さんコメントありがとうございます！更新がんばて行きますね〜！ (9月24日 18時) (レス) @page16 id: b5cebe3fc7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こんわた | 作成日時：2023年4月23日 18時
