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爆発音のような低音が響いたのはその時だった。
「ヘア！」
なんとも情けない声と共に背中を仰け反らせたリッパーは、恐らく仮面の奥で涙目になりながら梟の用に背後に首を回した。
「冗談じゃないですか、こちとら先日の件で信号銃はごめんだっていうのに！」
「手を出さないという条件でわざわざ君の頼みを聞いてやったというのに話が違う！ 」
「実際に手は出していませんけど」
「そう見えたのが問題なんだ。無駄な事をしていないでAに謝罪の言葉を述べたらどうだリッパー」
どうやらリッパーの初動がおかしかったのも、全てクラークさんたちのの企みだったようだ。
こんな大声でハンターに物言いが出来るのかと、知らなかったクラークさんの一面に関心しつつ暗号機を叩くと重たい音を立てて無機質な震えが止まった。
「クラークさん後は船上の暗号機だけです、早く終わらせて帰りましょう」
クラークさんの服の裾を強引に引っ張ると、彼は大袈裟によたよたと足をもつれさせながら私の後ろへ付いて回った。
謝罪なんてバカバカしい。
極悪と恐れられるハンターがこんなにに律儀だったとは先が思いやられる。
命をかけたゲーム、荘園主に命を弄ばれる事ぐらい想定済みだ。
それでもちょっとした仕返しのつもりで棒立ちのリッパーに意地悪く舌を出してやった。彼も仮面の奥で数回瞬きをしていた事だろう。
「君でも子供じみた真似するんだね」
腐りかけの階段を登りながらクラークさんが背後で柔らかく微笑んだ。軋んだ音を激しく立てる船板は少しでも体重をかければ簡単に落ちてしまいそうだ。
「A、この前の事怒ってる？」
「いいえ、こういう顔なんです元々」
階段を登りきるとより一層強い風がクラークさんのフードを吹き飛ばした。
作り物なのかそれとも本物なのか、海原が青くゆったりと膨らんでいる。それと同時に海風に乗った微かに生臭い潮の香りが時折鼻を付く。
のんびりとした潮の流れを見つめていると、唐突に背後からクラークさんが私の腰に手を回した。
恐る恐る伸ばされた手袋越しの指は、まるで何かに怯えているように微かに震えている。
「あんまり身を乗り出さない方がいい」
グッと腕に力を入れた彼は私の後頭部に、ゴツンと額をぶつけた。
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イキテル(プロフ) - 猫夜桜((シラキさん» とても嬉しいコメントありがとうございます。閲覧感謝です！ (2020年4月2日 1時) (
レス) id: eab5f6dd9c (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ - 何も言えない、言いたいんだけど語彙力が無さすぎて、あと文才ありまくりプロの方ですか← (2020年4月2日 0時) (レス) id: 27d48dc6f8 (このIDを非表示/違反報告)
イキテル(プロフ) - ハルさん» コメントありがとうございました、今後の励みになります。感謝です！ (2020年3月25日 0時) (レス) id: eab5f6dd9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 読み易い！文が綺麗！ (2020年3月24日 15時) (レス) id: 121cd7f10a (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ご返答ありがとうございます、了解しました！貴方様の作るお話が大好きなのでこれからも頑張ってください！応援してます！ (2020年1月30日 10時) (レス) id: 48f80f9c86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イキテル | 作成日時：2019年12月26日 2時
