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幼子のような寝顔だと思った。
布団のシーツを独り占めして抱き締めながら眠る彼の寝相の悪さといったら.......。
昨夜散々泣き合い疲れた私たちは同じベッドの上で吸い込まれるようにして眠った。
つまり一夜を共にしたのだ。
寝相の悪いクラークさんの衣服は乱れ、もれなく肌が露になっているが、これ以上深い関係にはなっていない。
シーツがかかっていない寒さで目を覚ましたのだが、当の本人であるクラークさんは何事もないようにすやすやと熟睡している。
一応言わせてもらうが、ここは私の部屋だ。
彼の意外な一面、つまり図々しさに若干苛立ちを覚えたが、幸せそうに眠るその顔に、わざわざ眠りを妨げようとは思わなかった。
変わりに乱れた服を直してやると、鬱陶しそうに顔を歪め乱暴に私の手を払う。
「.......憎たらしい人」
冗談交じりにクラークさんの良く伸びる頬を強く引っ張ってやると更に顔を歪めて悲痛な叫び声を上げた。
「い、いたっ、いたい！」
「おはようございますクラークさん」
「あ、ああ.......おはよう」
私の顔を見るなりキョトンと目を丸くし辺を見渡すと、何を思ったのか勢いよくベッドから飛び上がった。
バタバタとホコリを立てながら自分の服を触り、服と私の顔を交互に見て首を振っている。
「まさか、て、手を出したのか君に！」
掴みかかるように私に触れたクラークさんの反動に負け、私たちは見事にベッドから床へと落下した。
馬乗りになるクラークさんの体重は重たいし、床に打ち付けた後頭部がいたい。
なにより動揺したクラークさんの顔がこれでもかという程に赤く染っていて、その緊張にこちらも当てられそうだ。
「.......い、いいえ」
私がそう言うと、クラークさんはよかったと言わんばかりに胸をなでおろした。
「クラークさん、あの、重たいです」
「あっ、あ、ああ！ごめん、押し倒すような真似して......」
自分で言った言葉に更に動揺したのか、わたわたと手を動かし「変な意味ではなくて」とクラークさんは必死に弁明の言葉を探していた。
ベッドと壁の隙間、狭い空間でクラークさんはずい、と顔を近づけた。
瞬間的な吐息が鼻先に当たる。
目隠しをしていない彼の深い井戸が私を一点に見つめていた。
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イキテル(プロフ) - 猫夜桜((シラキさん» とても嬉しいコメントありがとうございます。閲覧感謝です！ (2020年4月2日 1時) (
レス) id: eab5f6dd9c (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ - 何も言えない、言いたいんだけど語彙力が無さすぎて、あと文才ありまくりプロの方ですか← (2020年4月2日 0時) (レス) id: 27d48dc6f8 (このIDを非表示/違反報告)
イキテル(プロフ) - ハルさん» コメントありがとうございました、今後の励みになります。感謝です！ (2020年3月25日 0時) (レス) id: eab5f6dd9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 読み易い！文が綺麗！ (2020年3月24日 15時) (レス) id: 121cd7f10a (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ご返答ありがとうございます、了解しました！貴方様の作るお話が大好きなのでこれからも頑張ってください！応援してます！ (2020年1月30日 10時) (レス) id: 48f80f9c86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イキテル | 作成日時：2019年12月26日 2時
