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幸せな顔をしたクラークさんの人生を壊してしまいたいと思った。母親のように。
母の気持ちを知りたかった。彼女のようにはなりたくなかった。
クラークさんの婚約者を一度でも妬んだ自分が、彼に恋心を抱いている事実が、女になろうとしている身体が気持ち悪くて仕方がない。
「クラークさんが荘園に来た理由を知った時、生きている世界が違うとようやく気がついたんです。こんなに汚い、不純な.......」
幸せになんてならなくてもいい。幸せになんてなれない。
「私本当はここに、ここに消えに来たんだ」
あわよくば殺してくれ、見え透いているとでも言うようにハンター達は私の体を切り裂いた。
傷が残らないことを知りながら。それとも私の動機が彼らの本能を刺激していたのかもしれない。
「だから私、あ、貴方の隣にはいられない」
「そんなことない」
いつの間にかクラークさんの声の震えは止まっていた。
相変わらず鼻を啜る音は聞こえるけれど、暖かい手で私の両頬を包んだ。
「君がどれだけ自分の事が嫌いでも、僕はAが今ここで生きていることが凄く嬉しいんだ。ずっと頑張って生きてきたのも知ってる」
彼の手のひらから伝わる脈は早く、熱い。それこそ真夏の日差しのように。
「僕たち少しくらい幸せになってもいいよ。お願い僕の傍にいて、A」
「クラークさんが望むような女性には、なれない」
「理想なんてあるもんか。例えどれだけ歪な形をしていても、人でなくてもAはAだ。 これからは君だけを見るよ、約束する」
私の頬から彼が片手を離すとほぼ同時に、目元の薄い布キレが床に静かに落ちる音を聞いた。
どれだけ自分が眠っていたのか想像がつかない。だが微睡みの中で永遠に続く悪夢を見ていた。
汗と体液の臭い、内蔵と鉄臭い血液の匂い、安っぽい下品な香水の香り。
そんな悪夢に時折、暖かいような.......。とても言葉では言い表せないような何かを感じていた。
顔の両端に湧き出した小さな湖。この世のものでは無いような不自然な青だった。
宝石.......いや、そんなものより遥かに神秘的で、まさに神様からの贈り物のような、思わず目を背けなくなるほど美しくい瞳。
「僕と生きて」
悪夢から救ってくれてのは紛れもない彼だ。
嗚呼、神様。
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イキテル(プロフ) - 猫夜桜((シラキさん» とても嬉しいコメントありがとうございます。閲覧感謝です！ (2020年4月2日 1時) (
レス) id: eab5f6dd9c (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ - 何も言えない、言いたいんだけど語彙力が無さすぎて、あと文才ありまくりプロの方ですか← (2020年4月2日 0時) (レス) id: 27d48dc6f8 (このIDを非表示/違反報告)
イキテル(プロフ) - ハルさん» コメントありがとうございました、今後の励みになります。感謝です！ (2020年3月25日 0時) (レス) id: eab5f6dd9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 読み易い！文が綺麗！ (2020年3月24日 15時) (レス) id: 121cd7f10a (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ご返答ありがとうございます、了解しました！貴方様の作るお話が大好きなのでこれからも頑張ってください！応援してます！ (2020年1月30日 10時) (レス) id: 48f80f9c86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イキテル | 作成日時：2019年12月26日 2時
