飲みたい夜に。 (ページ46)

今日:243 hit、昨日:316 hit、合計:39,169 hit

46 ページ46

.

.

ピッとなる音と共に、かいとは少し跳ねる

かい「あけてあけてあけて〜！」

いつもこんな感じなんやろうか、ちょっと羨ましい

“誰なの隣”

インターホン越しから聞こえる懐かしい声に

胸がギュッと締め付けられた。

そりゃ、そういうわな。

かい「いいから開けてよはやく〜！」

少し強引やな。なんて思って思っているとドアがスライドする。

大丈夫なんか、ほんまに。

かいとは表情がさらに明るくなると俺の腕を引っ張っていく

エレベーターが登っている時も今すぐ逃げ出したい

そう思ってる反面、

早く顔が見たいなんて思ってしまった。

かい「お邪魔しま〜す！」

元気にドアを開け大きな声を出すかいとと

呟くくらいに「お邪魔します」と言った俺。

リビングのドアを開ける前からほのかに香る揚げ物の匂いに

あの事なんて忘れてガッツポーズが出てしまいそうになる。

あかん、ちゃんと会って謝らんと。

そう思う度、逃げ出したくなる自分もおる。

「れん、、くん」

俺の顔を見て驚いた。

変わらず可愛い声で呼んでくれる彼女の声は

少し震えていた

れん「Aちゃん、、」

俺が名前を呼べば悲しい顔をした。

俺は引っ張られるのについて行き、かいとの隣に座った。

俺は、彼女を少し見つめていたけれど、

彼女は俺の事を一切見ようとしなかった。

.

.