-who is your hero-② (ページ5)

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「あのね、お兄ちゃん」

紫「、、、ん」

今にも震えて泣きそうな目で私を見つめてきた

「私、聞きたいこととか、言いたいこととか
いっぱいあってね、会いに行こうとしてたの」

紫「、、、うん」

「まず、いっぱい迷惑かけて、、、ごめん、、なさいっ、、」

紫「えっ、、」

「お兄ちゃんをひとりで、、苦しませててっ、、ごめんなさいっ、、」

お兄ちゃんの顔を見ていたら
沢山涙が溢れて、手で拭いきれなくなってきた

「お兄ちゃんが色々考えたり悩んでるの
知らないとはいえっ、、ごめんなさいっ、、」

紫「なんで、、そんな謝るんだよ、、」

「だって、、、だって、、、こんな、こんな私の事、、、
お兄ちゃんは見捨ててなかった、、ちゃんと見ててくれた、、
なのにっ、、なのに、わたしは、、、」

お父さんが亡くなって、
お兄ちゃんのお母さんにも見捨てられて
お兄ちゃんの方が辛いはずなのに、、、、

なんで私はあんな態度を取っていたのか、
前の私が憎くて、憎くて、たまらない。

もっともっと、お兄ちゃんの言葉を聞いて寄り添いたかった

「ごめ、、んなさいっっ、、」

紫「そんな事言うなよ、お前は、お前は、、、
なんも悪くねぇじゃんっ！！！」

声を震わせたお兄ちゃんの叫びと共に
お兄ちゃんの匂いで溢れていく。

流れる涙も、すべてお兄ちゃんが救ってくれて
凍りついた私たちの心を溶かしてくれるように
暖かかった。

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