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「ねぇ、樹ごめんね。」
田中「なにが」
楽屋へ向かう途中、少し先に歩く樹の背中に呟いた
「樹、嫌だったよね。私がちゃんと先に断ってれば
あんなことなら無かったよね」
田中「、、なんでさ」
いきなり止まるからぶつかっちゃった。
「ふぇっ？」
田中「なんでいつもAはそうなわけ？」
言ってる意味がわからずゆっくりと首を傾げた
田中「Aが嫌なら嫌でいーじゃん。
でも、いつもそうやって人の事ばっか思うじゃん」
「ごめっ、、、樹嫌かなって思って」
田中「嫌だよ」
「だっ、、だよね」
田中「俺あーゆうのすっげぇ嫌い。」
やっぱり私との絡み、、、
田中「なんで好きなやつの事あんなに言われなきゃいけないわけ？意味わかんねーじゃん」
「え、、樹、、、？」
田中「しかも、好きなやつと演技しろなんて無理だろ」
「どうゆう、、、」
田中「あーもー、わかんねぇよ！」
その言葉と同時に腕を引かれ気づいた頃には
樹の匂いでいっぱいだった。
田中「わかんねぇんだよ、俺。
お前が近くにいても遠くにいても苦しいんだよ。」
「樹、、、」
田中「しかもあんな風に言われて我慢してるお前見んの嫌なんだよ」
「大丈夫だよ、それはもう慣れてる」
田中「、、、嘘。1番嫌なこと知ってる。」
消えそうな寂しそうな声と
ギュッと力が入る樹の細い腕
あんなに細いのに、私のことはまるっと包み込んでしまう。
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作者名：生物 | 作成日時：2024年2月4日 5時
