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sideなし___
柊「宇佐美……
お前に足りなかったのは、
想像力だ。
もし、自分の家の窓を割られたら。
自分の服を切り裂かれたら。
どんな思いをするのか。」
宇佐美は
頭を抱えて、
嗚咽を上げて、泣いた。
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薄々気付きかけていた景山に対する後悔と、
まだ認めたくない、
自分は悪くない、
という気持ちが交差する。
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柊「嘘の投稿で、謂れのない中傷を受けたら、
……どれほど傷付くのか。
……お前にはその痛みが、
想像できなかったんだ。」
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宇佐美「……うるさい……うるさいうるさいうるさいうるさいぃッッ!!!!」
今目の前に立つ教師の声が聞こえないように、
叫びながら、耳を抑えて、
地面に座り込む宇佐美を
柊は両手で彼女の腕を掴んで、
両頰を包み込み、真っ直ぐ向き合った。
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柊「よく聞け…!
景山は、お前を恨んでいなかった。
むしろ、自分の所為だって言ってた……
私がいけないの、って。」
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その言葉に
宇佐美はやっと、柊の目を見た。
柊「何も言わずに、香帆を拒んで、
ちゃんと伝えていれば、っ、良かったって…。
……友達が欲しかったって……。
私は、香帆と、本当の意味での、
友達になりたかったって……
そう言ってた。」
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前に倒れこむ宇佐美の肩を軽く押し、
柊はまた彼女の頬に手を当てる。
柊「……いいか!!…よく聞け。
宇佐美、
お前はそんな彼女の気持ちを、
踏みにじったんだ。」
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宇佐美から手を離し、立ち上がる柊。
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自責の念に駆られる宇佐美は、地面に向かって泣いた。
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宇佐美の何処にも向けようのない怒りは
直ぐに、
"大きな後悔"
に変わっていったのだった。
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柊「それが……、痛みだ。」
溢れ出る
"ごめん"は止まらない。
ただ、今はもう届けることも出来ない。
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「その痛みを、一生忘れんなよ…!!」
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泣き噦る宇佐美に向かって
強く言い放つ柊は、
宇佐美から離れていった。
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なな(プロフ) - さらさん» 里見くんの主人公ちゃん愛を前面に出してみました…!そうなんですよね(^.^)いえいえ、此方こそコメントありがとうございました〜! (2019年1月23日 22時) (レス) id: 0167e96a69 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - ゆあさん» お仲間だーー!嬉しいです(^。^) (2019年1月23日 22時) (レス) id: 0167e96a69 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - リディア94さん» 先生との話も回をおうごとに進んでいくと思います〜!お楽しみに!コメントありがとうございました^_^ (2019年1月23日 22時) (レス) id: 0167e96a69 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - もう3話最高ですね。里見くんの今からでも付き合おうとするところがなんか好きです!先生もいいけど里見くんも捨てがたいですね。沢山の更新ありがとうございます。 (2019年1月23日 6時) (レス) id: ad66da0832 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - ななさん» え、めっちゃわかります!私も柊先生の次に里見くん好きなんです!← (2019年1月23日 1時) (レス) id: 0c3fdd77dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2019年1月14日 21時