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急に近くなった先生との距離に
今まで別の意味で既に心臓は活発だったが、
燃え盛るように熱くなる。
……こんな時まで、
と自分のことを叱る。
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先生の顔も結構赤く腫れていて、
甲斐くんに何度も殴られる先生を思い出しては辛くなって、目をぎゅっと瞑った。
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クラスメイトの視線を感じるも、先生は目もくれず、黙ってドアに向かう。
そのとき、
「……待ってください!」
逢沢くんが先生を呼び止めた。
その言葉に先生は振り返って逢沢くんを見る。
「景山が自 殺した理由がわかったんだから、
僕たちを解放してください。」
「まぁだだよ!!
……あの動画を作ったのは別の人間なんだよな?
……誰が、どういう意図で作ったのか。
それが分かるまで、
俺の授業は終わらない。」
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先生はそう言って、近くにいた河合さんに
ドアを開けるように目で指示した。
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河合さんが恐る恐るドアを開けると同時に、
「……っおい、待てよ!」
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甲斐くんが前に来た。
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甲斐くんの頰にも複数の傷が付いていて、
私が蹴り飛ばしてしまったことを思い返す。
香帆ちゃんに押し飛ばされたときすごい痛かったのに、
私は甲斐くんを蹴り飛ばした。
きっと彼はもっと痛かったはずである……
……え、まって、もしや今、
私に、
謝れよ、って言いに来たの、?!?
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先生と睨み合ってる甲斐くんに恐る恐る声をかけた。
『……ごめんなさい、甲斐くん。』
「……は?」
甲斐くんは拍子抜けしたような顔で私を見る。
……え?
『……あの、蹴り飛ばしちゃって。
本当に御免なさい。
あの時は必死で……』
そう、先生が殴られているのを
見ていられなくて。
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すると、甲斐くんは舌打ちをすると
めんどくさそうに頭をかいた。
「……Aに謝って貰う為に来たんじゃねぇんだよ。」
と、先生を見ながら言う。
『……へっ、?』
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しかし、
甲斐くんは先生を睨んだままなにも言わなかった。
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先生は目の色をひとつも変えずに
冷たい瞳で甲斐くんを睨んだまま、
「何だ?
何もないなら行くよ。
A、早く手当てしなきゃいけないから。」
すると、ニヤリと怪しく笑った。
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私の身体は一瞬、悪寒を感じた。
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先生は、そのまま
教室を後にした。
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なな(プロフ) - さらさん» 里見くんの主人公ちゃん愛を前面に出してみました…!そうなんですよね(^.^)いえいえ、此方こそコメントありがとうございました〜! (2019年1月23日 22時) (レス) id: 0167e96a69 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - ゆあさん» お仲間だーー!嬉しいです(^。^) (2019年1月23日 22時) (レス) id: 0167e96a69 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - リディア94さん» 先生との話も回をおうごとに進んでいくと思います〜!お楽しみに!コメントありがとうございました^_^ (2019年1月23日 22時) (レス) id: 0167e96a69 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - もう3話最高ですね。里見くんの今からでも付き合おうとするところがなんか好きです!先生もいいけど里見くんも捨てがたいですね。沢山の更新ありがとうございます。 (2019年1月23日 6時) (レス) id: ad66da0832 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - ななさん» え、めっちゃわかります!私も柊先生の次に里見くん好きなんです!← (2019年1月23日 1時) (レス) id: 0c3fdd77dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2019年1月14日 21時