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「体調は治ったか?」
『……わ、』
私の顔を覗き込むように言う一颯先生に驚いて一歩下がる私。近い!!
「…ん、ごめん。」
先生は少し眼鏡をあげると、先生も後ろに下がった。
違う、嫌なわけじゃないんだけど、!
って何思っちゃってんだ、あああ!、
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『……あっ、あのっ、体調は、だいぶ落ち着きました。
急にすみませんでした。』
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「……おいで。」
先生は、背中でドアを押して支え、
私が中に入れるようにしてくれた。
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中に入ると、複数のモニター。
校舎内のさまざまな場所が映し出されている。
3年A組の教室の様子もあった。
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先生は椅子に腰掛けると、こちらを見据えて言ったのだ。
「…悪かった。あの日を、思い出させてしまったね。
そのせいで、呼吸も苦しくなったんだろ?」
と。
『いえ、先生のせいじゃありません。
この頃の私を救ってくれたのは、誰でもない。先生じゃないですか。』
『今でもちゃんと澪奈の死に向き合えないのは私です。私の責任ですから。』
「……それは、景山がなぜ死んだのか、分からないから向き合えないんじゃないのか?」
『……私だって理由を知りたいです。』
「だろ?そこでだ。A組の生徒に答えを委ねた。代表で答えるのは茅野。」
『……さくらが?』
「……そうだよ。景山の自 殺に関与してる生徒がクラスメイトの中にいる……かもしれない。そこで、みんなに考えてもらったんだ。景山について。」
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先生はそう言って全部説明してくれた。
ハズれたら、クラスメイトの中から1人選んで死んでもらう、ということも。
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澪奈が死に追いやられた理由。
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もしかして、私なんじゃないかと思っていた。
私がちゃんとみんなに言えないから。
"澪奈はそんなことしてないよ"
"だから無視するのやめて。"
"澪奈を傷付けないで"って。
言葉に出して言えなかったから。
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そう思うと、止め処なく流れてくる涙。
「……A……?どうした?」
今更泣いたって仕方ないのにね。
手遅れなのにね。
澪奈が帰ってくるわけじゃないし、
彼女に直接謝れるわけでもない。
『一颯先生……』
「ん?」
『……澪奈が自 殺したのは、私のせいかもしれないよ。』
「……どうしてそう思う?」
『だって……私は……なにも……
なにもしてあげられなかったからっ』
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都 - ページ32の、マインドボイス、通称“マイボ”と言うところで、マイボ、ではなくて“マイボイ”です。これからも頑張ってください。 (2019年5月5日 8時) (レス) id: cb1f0a8444 (このIDを非表示/違反報告)
和苗 - Day-2も楽しみにしてます! (2019年1月13日 23時) (レス) id: 7721ae642c (このIDを非表示/違反報告)
たー坊(プロフ) - 続き楽しみです(*´ー`*) 更新頑張って下さい*_ _) (2019年1月13日 18時) (レス) id: 765e39c43d (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - めっちゃすきです(;;)続き楽しみにしてます!! (2019年1月13日 2時) (レス) id: 50485c4a3d (このIDを非表示/違反報告)
和苗 - とっても面白いです!!!!更新頑張ってください! (2019年1月11日 23時) (レス) id: 7721ae642c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2019年1月7日 1時