所有物 ページ10
Aside
kn｢ロボロ
何やってんねん。お前。」
｢お、コネさんやん。よかった、居ったんやな。
何って、一匹人間が紛れ込んどったから、今から始末するとこやけど？」
わざとコネシマさんに見せびらかす様に、もう一度髪の毛を鷲掴みにされる。痛みに悶えるばかりで、コネシマさんの顔はよく見えなかった。
kn｢…其奴の事、離せや」
｢なんでや。此奴、生贄やろ？生かす価値なんてあらへんで？」
kn｢離せって言ってんねん。聞こえへんかったか？」
怒ってる。顔が見えずとも、声色で大体の感情は把握できる。これは別に自慢という訳ではなく、ただ単に周りの機嫌を損ねぬようにしていたら身についてしまった、というだけだ。
｢わかった。此奴は離したる。
でも、その代わりに此奴を生かした理由を教えてくれへん？」
疑問形で聞いてはいるものの、何処か有無を言わせぬ威圧感が滲み出ていた。早く離してくれないだろうか。やはり、痛みというものはいつまで経っても慣れない。痛いものは痛い。人間に裏切られたといえど、小説の様に感情が無くなることがなければ痛覚が消えることも無い。
kn｢教えるから、早よ離せ。」
｢へいへい。」
仕方なく、というような感じで手を離された。急に離されたので、反応しきれず畳に顔面を打ちつけるという、緊迫したこの場に置いて似つかわしく無いにも程があることをやってしまった。しかし、目の前の二人はそんな事気にする素振りも無かった。それ程までに、余裕そうに見える二人でさえいつ殺られるか分からない緊張感に押し潰されそうだったのだろう。
すると、
kn｢…此奴は、俺の所有物や。」
と一言。そう、この一言だけをぽつりと零した。意味が分からない。それは面布を顔に付けた彼も同様だったのだろう。いきなり、狂った様に笑い始めた。多分、彼の中の呆れを通り越して、笑いへと変化したのだろう。
コネシマさんは何故彼が笑っているのかを、不思議そうに眺め、面布の彼はひたすら笑い、私はその光景を傍観する、というただただカオスな状況が数秒続いた。否、私にとってこれ程までに数秒という短時間がすごく長く感じたことは無い。
｢っはぁ、笑った笑った。
へぇ、此奴が、なぁ」
じっと顔を見つめられ、背筋に冷や汗が伝う。その時の私は疲労で上手く、頭が回っていなかったのだろう。何を思ったのか急にこんな疑問が生まれた。
『お名前は？』
また彼は笑い始め、一頻り笑うとこう言った。
｢ロボロやで。宜しゅう。」
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あまね(プロフ) - すき (8月8日 4時) (
レス) @page28 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉっさ(プロフ) - 彩雲朱瑠璃さん» 返信、遅くなってしまい申し訳御座いません。感想だけで無く、アドバイスまで頂けるなんて感無量です。その、助言有難く頂戴致します。更新は不定期になってしまいますが、乞うご期待を。 (2022年7月25日 12時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
彩雲朱瑠璃(プロフ) - すごく面白くて好きです！あ、あともしかしたら１ページ目のはないちもんめのところ、「ちょっとおいで」じゃなくて「ちょっと来ておくれ」かもです。在住地違いなどもあるかもしれませんが… (2022年7月18日 21時) (レス) @page1 id: b1698b1cbf (このIDを非表示/違反報告)
ふぉっさ(プロフ) - 名無しくんさん» 返信遅くなり、申し訳ございません。初コメ有難うございます。更新は不定期ですが、これからも頑張りますので、乞うご期待を宜しくお願い致します。 (2022年5月22日 10時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - とても素敵な作品ですね！私には書けない…すごいです！なんかこう…すごいです！(語彙力０)これからも頑張ってください！ (2022年4月14日 22時) (レス) @page9 id: 271b6082c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：。 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年4月1日 12時
