かくれんぼ ページ9
Aside
部屋からコネシマさんが居なくなり、死と隣合わせだった恐怖心は徐々に引いていったものの、次に私の頭に浮かび上がったのは｢暇」の一文字だった。
此処は犬神様の御屋敷の為、当然玩具など有る筈も無く、置いてある物といえば十数枚の積み重ねられた座布団くらいだ。隣の部屋へと繋がっているであろう襖は目と鼻の先にあるが、今無闇矢鱈に動いてしまえば、この先私の命があるか危ういのでこの部屋からの移動という選択肢は即座に消えた。
｢御免下さーい。
コネさーん？」
私が入ってきた扉の方から声が聞こえてきた。可笑しい。まだ外には、村の人がいる筈だ。入ろうとしたら、死に物狂いで止められる。其れに、御屋敷に入れるのは犬神様と生贄に選ばれた者だけ。相当の死にたがりか、物好きなのだろう。
｢上がらして貰うで。」
逃げなきゃ。外はダメ。一本の太い柱が目に付き真っ先に柱の後ろに隠れた。
｢お邪魔しまーす」
下駄特有の足音が近づき、緊迫感が更に増す。早く出ていってくれ。そう何度も何度も心の中で祈る。
｢何や、居らんのか。」
足音が段々遠ざかって行き、心の隙間に余裕が少しずつ生まれてくる。
｢でも、鼠が一匹隠れとるみたいやなぁ」
何を言っているんだ。早く帰ってくれ。私が此処に来た時には本当に何も居なかった。不気味な程小綺麗で、恐怖心が煽られたくらいだ。
『…ぁ”、』
｢なぁ、お前誰やねん。」
くるしい。いきができない。しんじゃう。しにたくない。
『、ﾋｭｯ…ゲホッ』
殺されるかと思った。三途の川を渡るか否かのところで首に力強く巻かれていた腕を緩められ、空気が勢いよく肺へと流れ込んでくる。暫く咳き込んでいると、今度は髪の毛を鷲掴みにされる。ぶちぶちと髪の毛が抜けたことを暗示する鈍い音を鳴らしながら頭が其奴の顔の前へと持ち上げられて行く。
『い"ッ、…』
｢もっかい聞くで？誰やねん。お前。」
そんな事今聞かれても応えられる筈が無い。当たり前だ。なんて答えようかなんて、痛みで頭がいっぱいな私には到底考えられる筈も無く。
しかし、其れが更に彼の逆鱗に触れてしまったのか今度は鳩尾を下駄の足先で思いっきり蹴られる。
『、ｯｶはっ』
人間は鳩尾を蹴られると動くことは愚か、数秒間まともに呼吸も出来なくなる。一生懸命、息を整える。折角、犬神様に生かされたのに、こんなところでまだ死ぬ訳にはいかない。
｢お？死んだ？」
kn｢なぁ、何やってんねん。」
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あまね(プロフ) - すき (8月8日 4時) (
レス) @page28 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉっさ(プロフ) - 彩雲朱瑠璃さん» 返信、遅くなってしまい申し訳御座いません。感想だけで無く、アドバイスまで頂けるなんて感無量です。その、助言有難く頂戴致します。更新は不定期になってしまいますが、乞うご期待を。 (2022年7月25日 12時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
彩雲朱瑠璃(プロフ) - すごく面白くて好きです！あ、あともしかしたら１ページ目のはないちもんめのところ、「ちょっとおいで」じゃなくて「ちょっと来ておくれ」かもです。在住地違いなどもあるかもしれませんが… (2022年7月18日 21時) (レス) @page1 id: b1698b1cbf (このIDを非表示/違反報告)
ふぉっさ(プロフ) - 名無しくんさん» 返信遅くなり、申し訳ございません。初コメ有難うございます。更新は不定期ですが、これからも頑張りますので、乞うご期待を宜しくお願い致します。 (2022年5月22日 10時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - とても素敵な作品ですね！私には書けない…すごいです！なんかこう…すごいです！(語彙力０)これからも頑張ってください！ (2022年4月14日 22時) (レス) @page9 id: 271b6082c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：。 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年4月1日 12時
