愛 ページ8
kn side
第一印象は変な奴。それに尽きる。
これから死ぬというのに死にたくないとばかりほざく。まぁ心の中で、だが。そんな慈悲なんて俺が持ち合わせている訳が無いというのに。でも、コイツは恐怖心を絶対と断言出来るほど態度に現さない。本当に変な奴。俺の身の周りにも変な奴はいる。でもコイツの変と仲間の変は全くと言っていいほど違う。
聞いてみた。何故そんなにも生にこだわるのかと。そしたら、誰でも上辺で言える様な綺麗事ばかり言ってきたものだから、笑いを堪えるのに必死だった。コイツは知らない。否、知れないのだ。其れ、以外に縋れる物が無いから。知ってしまったら、残された道は死へと一直線だから。
其れなら、無理矢理にでも教えてやろうか。お前に残された道は死のみだと。そうすれば必ず此奴は何かに縋ろうとする。俺に縋る此奴の姿は滑稽だろう。そんな事を考えると、自然と笑みが溢れた。
生贄。
そんなモノ要らない。俺に媚を売るだけ。死への恐怖の微塵も無い。人間らしさというものが其奴等には無かった。俺は人間が好き。いや人間の醜さが好き。蹴落とし合う滑稽な姿が好き。そんな俺も随分と醜い奴だ。それでも、人間は俺の事を神様と言って崇める。本当滑稽。
彼奴の名前はAと言ったか。人間の名前なんて、片手で数えられる程しか覚えていない。その僅かな数に彼奴が入った。それだけで俺にとってAは特別な存在となっていた。此処まで俺に期待させているのだから、絶対手離さない。例え、仲間に捨てられても、人間から罵詈雑言を浴びさせられたとしても。
これは正しく愛だ。こんなにも彼奴のことが知りたいのも、彼奴の全てを俺が握っているという高揚感も。この位何ら可笑しくは無い。俺にとって人間の愛の方が何倍も可笑しいのだ。
愛なんて、一つしか無い。まるでお気に入りの玩具を取り上げられた幼児の様に、其奴を独り占めしたいが為必死になる。其れが普通。其れ迄の過程は様々だが、其れ以外の愛なんて俺にとってフィクションでしか無い。
家族愛、親愛、敬愛。
こんなモノ愛とは言わせない。
もう彼奴は俺の物。仲間であろうと、俺の所有物を取りに来る者は容赦なんて物はしない。
逃してやるものか。
No side
可哀想な少女。
犬神様に目をつけられ、生贄として捧げられてしまった。彼女はいつから可哀想になってしまったのだろうか。生贄に選ばれてしまった時？否、生まれてきてしまった瞬間からこの運命は決まっていたのかもしれない。
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あまね(プロフ) - すき (8月8日 4時) (
レス) @page28 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉっさ(プロフ) - 彩雲朱瑠璃さん» 返信、遅くなってしまい申し訳御座いません。感想だけで無く、アドバイスまで頂けるなんて感無量です。その、助言有難く頂戴致します。更新は不定期になってしまいますが、乞うご期待を。 (2022年7月25日 12時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
彩雲朱瑠璃(プロフ) - すごく面白くて好きです！あ、あともしかしたら１ページ目のはないちもんめのところ、「ちょっとおいで」じゃなくて「ちょっと来ておくれ」かもです。在住地違いなどもあるかもしれませんが… (2022年7月18日 21時) (レス) @page1 id: b1698b1cbf (このIDを非表示/違反報告)
ふぉっさ(プロフ) - 名無しくんさん» 返信遅くなり、申し訳ございません。初コメ有難うございます。更新は不定期ですが、これからも頑張りますので、乞うご期待を宜しくお願い致します。 (2022年5月22日 10時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - とても素敵な作品ですね！私には書けない…すごいです！なんかこう…すごいです！(語彙力０)これからも頑張ってください！ (2022年4月14日 22時) (レス) @page9 id: 271b6082c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：。 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年4月1日 12時
