穢れ ページ27
天使様side
美しさ。
其れは、天使にとって命とは比べ物にならない程大切なもの。だから、容姿や心、どれか一つでも穢れてしまえば最後、神様に見限られ堕天させられてしまうのだ。
自惚れる訳では無いが、俺の容姿は、誰もが一度は見惚れる程良かったのだ。其れ相応の努力を重ねたからだ。しかし、心はいくら努力したと言えど綺麗になる訳では無い。
周りの天使が綺麗になっていく度、嫉妬や敗北感が渦巻き、どんどん穢れていってしまう。
ある日遂に俺は一人の天使を堕天させてしまった。其奴は完璧という言葉が一番似合う奴だった。其れが気に食わなかった。何もせずとも俺より優れているなんて。そんな事許してやるものか。嫉妬が渦巻き、其奴の肩を押し天界から堕としてやった。
ざまぁみろ。
その一言を言っただけで、心の奥底に溜まっていたつっかえが全て取れた様にスッキリした。
だから、神様に天界を追放された時も何も思わなかった。いつも磨いていた金の輪は霞み、跡形も無く砕け散った。いつも毛繕いをしていた羽は一部が抜け落ち、純黒に染まっていった。自分の努力が呆気なく水の泡になるのを目にし、今まであんなにも憧れていた神様が悪魔に見えた。
それから、俺は下界に堕とされ自由を知った。美しさにも神様にも縛られる事の無い自由を。欲しい物を手に入れられる自由を。
下界では兎に角やる事が無く、殆どの奴等が人間界を除いている。俺も、興味本位で覗いて見た。その時の事を未だ昨日の事のように鮮明に覚えている。
宝石の様に美しい大粒の涙を流し、一人部屋の隅で泣いていた。その姿がこの世の物とは思えない程美しくて、手に入れたくなった。
その子が生贄になると分かった瞬間嬉しさでいっぱいになった。そうとなれば、やる事はただ一つ。俺の生贄にする。直ぐに、下界での神様に頼み込んだ。そして、神様は了承して下さった。其れなのに、犬神とか言う妖怪に盗られてしまった。
嫉妬で頭がおかしくなりそうだった。だから直ぐに、計画を立てて実行した。案の定成功した。犬神なんぞ、俺に敵うはずが無い。しかし取り戻すだけでは足りなかった。もう既に、君は人間と妖怪に穢されてしまっている。俺だけの物では無くなってしまった。
だから殺した。
これで君は俺だけのモノ。誰にも盗らせやしない。何があっても、君を離してやるものか。
此れから君とどんな思い出を創ろうか。想像しただけでも胸が躍り、下界に戻る足を早めた。
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あまね(プロフ) - すき (8月8日 4時) (
レス) @page28 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉっさ(プロフ) - 彩雲朱瑠璃さん» 返信、遅くなってしまい申し訳御座いません。感想だけで無く、アドバイスまで頂けるなんて感無量です。その、助言有難く頂戴致します。更新は不定期になってしまいますが、乞うご期待を。 (2022年7月25日 12時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
彩雲朱瑠璃(プロフ) - すごく面白くて好きです！あ、あともしかしたら１ページ目のはないちもんめのところ、「ちょっとおいで」じゃなくて「ちょっと来ておくれ」かもです。在住地違いなどもあるかもしれませんが… (2022年7月18日 21時) (レス) @page1 id: b1698b1cbf (このIDを非表示/違反報告)
ふぉっさ(プロフ) - 名無しくんさん» 返信遅くなり、申し訳ございません。初コメ有難うございます。更新は不定期ですが、これからも頑張りますので、乞うご期待を宜しくお願い致します。 (2022年5月22日 10時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - とても素敵な作品ですね！私には書けない…すごいです！なんかこう…すごいです！(語彙力０)これからも頑張ってください！ (2022年4月14日 22時) (レス) @page9 id: 271b6082c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：。 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年4月1日 12時
