玩具 ページ16
zm side
『わ、たしは、えっと…』
目の前で必死に頭を回す此奴。多分、人間なんやろな。コネシマの屋敷に入れるのは生贄の奴と妖怪だけ。特に、今日は祭壇の為、よっぽどの事が無い限り部外者は入れない。其れに、此れ程までに、此奴の事を隠そうとしているのだ。確実に俺と同類の奴では無い。
すると、消去法で此奴は人間だ、となる。
此処で、「此奴は人間だ。」と、言ってしまえば良いのだろう。だが、生憎、俺は周りが思っている程性格が良くない。そんな直ぐに、終わらせてしまっては勿体無い。
だから、言ってやらない。言ってやるものか。
もっと苦しめ。
周りからは変な目で見られるけれど、他人の不幸が、俺にとっての幸せ。人の不幸は蜜の味、という奴だ。多分、俗に言うサディストに近いものなのだと思う。
別にそれのせいで自分が嫌いだとは思わない。自分が幸せなら、それで良い。皆、幸せが一番と言うけれど、皆幸せだったら幸せが、幸せでは無くなってしまう。だから、周りを踏み台にしてでも俺は幸せになる。
その周りが、仲間であろうと、家族であろうと。
誰しも、幸せになる為に生きている。当たり前の事だ。でも、選ばれた奴しか、幸せになることは出来ない。選ばれなかった奴等は選ばれた奴の踏み台になる他無い。俺は選ばれた。でも目の前にいる人間は選ばれなかった。だから、俺の踏み台になる。
まだ悩んでいる其奴。今までに無いほどに焦っているコネシマ。見れば見るほどに滑稽で笑みが溢れた。
すると、二人は頭でも狂ったのかと言わんばかりの顔を此方に向けた。
「お前、名前は？」
『A。で、す…』
何の疑いも無く、自分の名前を口にする此奴を見て、少し、ほんの少しだけ愛おしく思えた。
昔、俺への生贄に捧げられた奴。人一倍警戒心が強くて頭が良く回った。その上、勘が良かった。其奴の名前を聞いた。虐めてやろうとか、そんなのでは無く、ただ単に知りたかったのだ。なのに、それなのに其奴は俺の期待を裏切って咄嗟に思いついたのであろう嘘の名前を言った。
だから、殺してやった。今までに無いくらい惨たらしく。爪を引き抜き、腸を引き摺り出し、目ん玉を穿り出してやった。
でも、目の前の此奴は違う。俺の期待を裏切る馬鹿では無い。まだ遊べる。俺にとっての此奴は新しい玩具と何ら変わらない。
「俺の名前はゾムっちゅうねん。仲良くしよなぁ。」
『え、ぁ、はい…』
これからどう遊んでやろうか。口角が歪に歪んだ。
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あまね(プロフ) - すき (8月8日 4時) (
レス) @page28 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉっさ(プロフ) - 彩雲朱瑠璃さん» 返信、遅くなってしまい申し訳御座いません。感想だけで無く、アドバイスまで頂けるなんて感無量です。その、助言有難く頂戴致します。更新は不定期になってしまいますが、乞うご期待を。 (2022年7月25日 12時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
彩雲朱瑠璃(プロフ) - すごく面白くて好きです！あ、あともしかしたら１ページ目のはないちもんめのところ、「ちょっとおいで」じゃなくて「ちょっと来ておくれ」かもです。在住地違いなどもあるかもしれませんが… (2022年7月18日 21時) (レス) @page1 id: b1698b1cbf (このIDを非表示/違反報告)
ふぉっさ(プロフ) - 名無しくんさん» 返信遅くなり、申し訳ございません。初コメ有難うございます。更新は不定期ですが、これからも頑張りますので、乞うご期待を宜しくお願い致します。 (2022年5月22日 10時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - とても素敵な作品ですね！私には書けない…すごいです！なんかこう…すごいです！(語彙力０)これからも頑張ってください！ (2022年4月14日 22時) (レス) @page9 id: 271b6082c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：。 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年4月1日 12時
