奇遇 ページ15
Aside
コネシマさんも頼む物を決めたのかメニューが立て掛けられていた手前にある、呼び鈴を鳴らした。すると、先程見た店主であろう蛙が飛んで、やってきた。そう、文字通り、飛んでやってきた。
「ご注文は？」
そう言いながらメモ用紙に書き取る準備をする。メモ用紙はその店主の手に収まるサイズになっており、少し可愛らしく思えた。
kn「鮭定食」
と、簡潔に冷たく一言だけ言った。店主さんは苛立っているような声色に、心なしか怖気付いていたように見えた。少しでも、緩和させようと
『私も鮭定食で』
明るく聞こえるよう、意識しながら言った。少し効き目があったのか、店主さんはわかりました、と笑顔で言い、厨房へと戻って行った。
鮭定食がテーブルに並ぶのを待っていると、誰かが入って来たことを示す、風鈴の音が店内に響いた。
その人はわざとなのか、その席がお気に入りなのか、私とコネシマさんが座っている席の真隣に座った。すると、チラチラと此方の顔を伺い始めたので、少し怖くなった。誰しも、見ず知らずの人から顔を覗かれたら怖くなるだろう。
「、え。シッマ、やんな？」
コネシマさんの渾名だろうか。此方に向かってそう、質問された。あまり、横の人を気にして居なかったのか、声をかけられた瞬間、肩を揺らし、驚いていた。そして声をかけた主である人に目線を移した。
kn「あぁ、ゾムやん。奇遇やなぁ。」
きっと、コネシマさんと親しい方なのだろう。だとすると、明らかに人間では無いという事は確かだ。その人に対する警戒心が高まる。
「な。ほんまに奇遇。っていうか、此奴誰？」
彼はそう言い、私を指差した。どう言えば良いのだろう。私が人間だという事実がバレたら何をされるかわからない。
kn「あぁ、此奴な、なんか屋敷に勝手に入っててんな。」
きっと咄嗟に思いついたのだろう。誰が、どう聞いても、苦し紛れの言い訳にしか聞こえない。矢張り、そんな言い訳に彼が騙されてくれる筈もなく。
「そんな事、ある訳無いやん。第一、今日祭壇やろ？誰も入れへんって。
なぁ、お嬢ちゃん。お前何やねん。」
返ってきた言葉は、正に、今の私には絶望を植え付ける言葉だった。どう答えれば正解なのだろうか。必死に頭を働かせる。
『わ、たしは、えっと、…』
なんて答えようか。どんどんと、焦りが募って行く。コネシマさんも口出ししようにも出来ない為、焦っている様子だった。
どうしよう
そんな五文字が頭をぐるぐる旋回する。
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あまね(プロフ) - すき (8月8日 4時) (
レス) @page28 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉっさ(プロフ) - 彩雲朱瑠璃さん» 返信、遅くなってしまい申し訳御座いません。感想だけで無く、アドバイスまで頂けるなんて感無量です。その、助言有難く頂戴致します。更新は不定期になってしまいますが、乞うご期待を。 (2022年7月25日 12時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
彩雲朱瑠璃(プロフ) - すごく面白くて好きです！あ、あともしかしたら１ページ目のはないちもんめのところ、「ちょっとおいで」じゃなくて「ちょっと来ておくれ」かもです。在住地違いなどもあるかもしれませんが… (2022年7月18日 21時) (レス) @page1 id: b1698b1cbf (このIDを非表示/違反報告)
ふぉっさ(プロフ) - 名無しくんさん» 返信遅くなり、申し訳ございません。初コメ有難うございます。更新は不定期ですが、これからも頑張りますので、乞うご期待を宜しくお願い致します。 (2022年5月22日 10時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - とても素敵な作品ですね！私には書けない…すごいです！なんかこう…すごいです！(語彙力０)これからも頑張ってください！ (2022年4月14日 22時) (レス) @page9 id: 271b6082c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：。 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年4月1日 12時
