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バレーの試合中、私は右足首に痛みを感じてうずくまった。
結構痛かった。
でも、あと一歩で県大会って試合だったから、諦めきれなかった。
我慢できなくもなかったから、
とりあえず試合の残り時間10分は歯を食いしばった。
一回休憩が入ったから靴下を脱いで足首を確認したら、
若干腫れてて、熱っぽかった。
「これやばくない?」
ちょっと前からずっと心配してくれてたマネージャーであり親友の華奈が、真剣な顔で言った。
自分でもわかってた。
ただの捻挫とかじゃないって。
「帰ってすぐ病院行ったほうがいいんじゃない?」
そう言う華奈の言葉に渋々頷いて、
親に迎えにきてもらい、今に至る。
.
私の話を、重岡先生は頷いて聞いてくれた。
仕事だからっていうのはわかってるけど、ちょっと嬉しい。
『無理して試合出ちゃったんやなぁー』
そうなのよ。
無理せず休んどけばよかったなぁ・・・
って今になって思う。
「はい・・・」
『あ、これからは運動したらあかんで?』
「え?!」
なんと・・・
それではバレーができないではないか・・・
『もちろん部活も』
ひぇ〜
「はい・・・」
『本当にあかんからな?』
「頑張ります・・・」
クスッ、
え?
笑った?!
今笑ったよね?!
笑った顔もちょーイケメンじゃん!!!
イケメンっていうかもう神様?!
やばいやばい
語彙力を失い、
思考が低下。
そんな脳に割り込んできた重岡先生の声。
『どうしました?』
うわぁぁ
クイって首傾げるの可愛すぎです。
逮捕です。
『じゃあ巻いていきますね。』
テープを扱う重岡先生の手はなんだかかっこよくて、
やっぱり惚れる。
彼女とかいるのかなぁ。
いそうだよなぁ。
色々考えてるうちに私の足はぐるぐる巻きにされていた。
『じゃあ今日はこれで終わりになるんで。
できれば週に2回ほど、巻き直しに来てもらいたいんですけど、いつなら来れます?』
いつでも!
って喉元まで出かけた言葉を飲み込んで、
「水曜と土曜なら!」
『では、次は土曜日に』
まだ帰りたくなかったけど、またすぐ会えるなら今日のところは、帰るとするか。
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作者名:まるえだまめいんげん | 作成日時:2023年2月23日 18時