彼が消えて早5年。今私は...6【降谷零・安室透】

208.sideコナン ページ10

話がある、といった灰原にひとまず医務室を出ようと伝え全員でその場を後にした。








俺達が話している間に、先に観覧車に乗ろうぜ！！と話している元太達の声を聞いた灰原が、どこか焦った様に怒鳴る。









「あなたたちは待っていて。江戸川君との話が終わるまで待っていること、いいわね！」









その切羽詰まった様子を不思議に思いながら、灰原を連れ出し、元太達から少し離れた所で灰原の話すように促せば、推測ではあるがその口からはとんでもない仮説が零れた。









「...！！間違いないのか！？？」







「絶対とはいえない。でもあなたも感じたでしょ？明らかに普通の人では無いと。それに、目の色が左右違う。あれが義眼であれば...」







「...ラム」






コードネーム、RUM。組織のNo.2と言われ、その姿は誰にもわからない謎の人物。分かっていることは片方が義眼という事だけだ。



オッドアイだったのが義眼のせいだったとしたら、あの人がRUMである可能性が高くなる。







「仮にそうだとすれば、記憶喪失なんていうのも本当かどうか。」






灰原の切羽詰まった様子に合点がいった。でも、RUMだとしたら何が目的だ...？？







「でも、そうだとしたら。何故そうまでして俺たちに近づく必要がある？」








「さあ、それはわからないけど。あの子たちが...え？」






危ないかもしれない。そう続けようとしたであろう灰原は、不自然に言葉を切り固まってしまった。灰原の視線の先へ目を向ければ、別のベンチに座っていたはずの元太達がいない。









「アイツら、いったい...」








「私たちの目を盗んで観覧車に行ったのね。...郁流くんと透流くんもいないわ。」









「多分あの二人は引き摺られてったんだと思うぞ。ほら、メール来てら。」









光彦に電話を掛けようと携帯を取り出せば、そこには透流くんからのメールが届いていた為画面を灰原に向けた。

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