純黒if ページ26
走る透流と郁流を追いかけて、転がるのを止めた観覧車へと近付けば、何故かそこから降りてくる零の姿があった。
眉を寄せながらどこか苦しげな表情をした零に抱き上げられながら号泣している澪。哀ちゃんも呆然とした様子で零のズボンを握っている。
共にゴンドラ内にいた子供達は困惑気味にその様子を見守っていた。
「「みおっ！！！！」」
大切な片割れである澪の名前を呼びながら駆け寄る2人には、どうやら零の姿は視界に入っていないようで。
「かおっ！！とおっ！！！」
2人に呼ばれてそちらに手を伸ばした澪をみて、空気を読んだ零はそっと澪を地面におろしてあげていた。
おろされた澪は、フラフラしながらも2人に近付き、走りよった郁流と透流にぎゅっと抱き締められている。
「...おねえさっ...ﾌｪ...ｯ...」
「...みおっ！！だいじょうぶだから。な？」
「みお？ぼくたちがいるから。」
2人にぎゅうぎゅうと抱き着いてなく澪に、零に視線を向ければ、困ったような、どこか苦しげな顔を向けながらこちらへと寄ってきた。
哀ちゃんは、いつの間にかやって来ていたコナンくんの元へと向かっている。
「惨い場面を、見せてしまった。...悪い、間に合わなかった。詳細は今度話す。今は...無理だ。」
苦しそうに視線を下へ向けた彼に、零がそこまで言うほどのことがあったのなら、と頷くほかなかった。
聞こえてきたパトカーの音に、零はもう行かなきゃ、と呟く。
「ごめん、近いうちにそっちに行く。...澪を頼む。」
手を引いて一瞬、ぎゅっと私を抱き締めた零は、そう言って暗闇へ姿を消してしまった。
暫くして私は、気を失ってもなお涙の止まらない澪を抱え、救急車に乗せられてまた警察病院に向かうのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 792人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぷぅ(プロフ) - はい、ありがとうございます(#^.^#) (2018年11月4日 2時) (
レス) id: d0100f321f (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - ぷぅさん» 激裏...書いたことが無いのでとりあえず他の方の作品読んで学んできます笑書けそうでしたら書きますが、無理..！！ってなったらごめんなさい！！ (2018年11月3日 23時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - 番外編の方に半年前に二人が久しぶりに一つに繋がった時の激裏ストーリーを書いて欲しいんですけど可能でしょうか？もし可能であれば宜しくお願いします(´∀｀) (2018年10月24日 16時) (レス) id: d0100f321f (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - salomeさん» ありがとうございます！！！たしか、ナタリーさんの子供と3つ子の話の後くらいにリクエストして下さいましたよね！！その位にいれておきます！！ (2018年10月14日 22時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
salome(プロフ) - リクですが前に同期組と沖矢さんとハロの絡みを見てみたいという話覚えていますがハロを見た時どんな反応をしたり可愛がるのが見てみたいし名前の由来で盛り上がったりそこに降谷一家も交えてほしいです (2018年10月14日 19時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空良
| 作成日時：2018年8月20日 9時
