彼が消えて早5年。今私は...【番外編2】

降谷さんと安室さんが混ざらない理由が ページ12

side零

最後の映像は、ローテーブルを囲んだ3つ子が、わくわく、そわそわといった様子でカメラを持っているであろうAを見つめている場面からスタートだった。








「えーっと、今日、なんだけどね？」





「パパのおはなし？」




「おしえて！！」




「どんなひと？」




「...！！！」







キラキラと目を輝かせてそうきいている3つ子に、これは恐らく、初めて俺についての話を3つ子にした時の動画だろうと言う推測ができた。








「うん、今日はパパの話をするね？パパは、透流とすごくそっくりで...あぁそう言えばこないだお母さんから送られてきた動画あったっけ？あとこないだ古いパソコン整理した時にも。確か...」







そう言ってゴソゴソと何かを漁る音と共にパソコンが出てきた。起動させてカチカチとAがクリックして行くと、現れたのは高校生程の俺と、ヒロそれからAの姿だった。






「おい、母さん動画だろ？分かってるからな？撮るのやめろよ。」








仏頂面でそう口にする俺と、ケラケラ笑っているヒロ、まあまあ、と宥めているA。








他にもあった動画は全て3つ子に見せるのではなく、次に見せたのは1番新しいと思われる映像だった。







「A！！ヒロ！！！！おまえらなにやったかわかってんのか？？ん？？」





「「全力ですみませんでした。」」









そんな声が聞こえてきて、これはまさか...とAの方を見ればぐりんと視線を逸らされた。









この動画は、Aとヒロが結託して俺にドッキリを仕掛けた時の物だろう。









ドッキリをされた時の動画は目の前で消させたけど、これが残っていたとは...








ていうか、別れた時に俺に関するもの全て痕跡を消してきたつもりだったんだが！？？









...これでよく公安が務まってるな、俺...

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