2 ページ30
NA「ありがとう。私を救ってくれて。手を差し伸べてくれて。」
ユンギに握られた手を握り返すソラン。
その手は温かく、力強い。
SG「俺達を救ってくれてたのはお前だろ?手を差し伸べてくれたのもお前だよ。」
俺たちみんな似たもの同士なんだ。そう言って微笑むユンギの手も温かかった。
SG「このままここにいるか?行きたい所ないのか?」
NA「色々考えたんだけどね〜どこに行っても誰かがいるでしょ?ここなら2人っきりだし。ダメかな?」
SG「いや。言っただろ?お前と出かけられるなら、どこでもいいって。まぁ今日は外に出掛けるって皆には言ってあるから、ここには邪魔しに来ないだろ(笑)」
2人っきりになる時間なんてめったにない。
なろうとしても必ず邪魔が入る。(主にマンネ組)
普段感じることのないゆったりとした時間が流れる。
何を話すでもなく、ただ頭を寄せ合い手を握る。
それだけの事なのに幸せで仕方ない。
SG「・・・もうすぐ、ラストコンサートだな。」
NA「うん。何か、寂しくなるね。けど、その後すぐにまた仕事だよ(笑)」
SG「全く忙しくて大変だ。」
NA「ホントだね〜。でもさぁそれが楽しくて仕方ないんだよね。私って変なのかな?」
ユンギの肩から頭を起こし、首を傾げながら見つめる。
SG「変じゃない。これが幸せってもんなんだよ。」
そう言ってユンギもソランを見つめ返す。
繋いでいた手を離して、ソランの頬に触れる。
そして、ゆっくりとユンギの顔が近づく。
リップ音がなる事のない触れるだけのキス。
SG「俺、お前に出会えて良かった。」
NA「・・・私も。」
1度だけのキス。
それだけで心が満たされる。
それからは何を話すでもなく、ただ肩を寄せ合う。
2人っきりで過ごす数少ない貴重な日がそれで終わってしまう。
それでも、2人は幸せだった。
夜になり、宿舎へ帰ればみんなが興味深そうにデートの事を聞いてくる。
どこへ行ったのか?
何をしたのか?
それは2人だけの秘密。
明日からまたコンサートに向けた練習が始まる。
165人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月未 | 作成日時:2018年8月3日 16時