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NA「ありがとう。私を救ってくれて。手を差し伸べてくれて。」


ユンギに握られた手を握り返すソラン。


その手は温かく、力強い。


SG「俺達を救ってくれてたのはお前だろ?手を差し伸べてくれたのもお前だよ。」


俺たちみんな似たもの同士なんだ。そう言って微笑むユンギの手も温かかった。


SG「このままここにいるか?行きたい所ないのか?」


NA「色々考えたんだけどね〜どこに行っても誰かがいるでしょ?ここなら2人っきりだし。ダメかな?」


SG「いや。言っただろ?お前と出かけられるなら、どこでもいいって。まぁ今日は外に出掛けるって皆には言ってあるから、ここには邪魔しに来ないだろ(笑)」


2人っきりになる時間なんてめったにない。


なろうとしても必ず邪魔が入る。(主にマンネ組)


普段感じることのないゆったりとした時間が流れる。


何を話すでもなく、ただ頭を寄せ合い手を握る。


それだけの事なのに幸せで仕方ない。


SG「・・・もうすぐ、ラストコンサートだな。」


NA「うん。何か、寂しくなるね。けど、その後すぐにまた仕事だよ(笑)」


SG「全く忙しくて大変だ。」


NA「ホントだね〜。でもさぁそれが楽しくて仕方ないんだよね。私って変なのかな?」


ユンギの肩から頭を起こし、首を傾げながら見つめる。


SG「変じゃない。これが幸せってもんなんだよ。」


そう言ってユンギもソランを見つめ返す。


繋いでいた手を離して、ソランの頬に触れる。


そして、ゆっくりとユンギの顔が近づく。


リップ音がなる事のない触れるだけのキス。


SG「俺、お前に出会えて良かった。」


NA「・・・私も。」


1度だけのキス。


それだけで心が満たされる。


それからは何を話すでもなく、ただ肩を寄せ合う。


2人っきりで過ごす数少ない貴重な日がそれで終わってしまう。


それでも、2人は幸せだった。


夜になり、宿舎へ帰ればみんなが興味深そうにデートの事を聞いてくる。


どこへ行ったのか?


何をしたのか?


それは2人だけの秘密。


明日からまたコンサートに向けた練習が始まる。

ファイナルコンサート→←デート 1



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作者名:月未 | 作成日時:2018年8月3日 16時

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