少年と少女。 (ページ21)

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手を伸ばし、触れようとするファンもたくさんいる。

車を降りる瞬間はユンギに手を掴んで支えてもらっていたが、歩く時まで頼れないと思ったソランはその手を離し、1人で歩く。

普段履かないヒールを履いているせいか歩き方がぎこちなくなる。

なるべく周りに迷惑をかけないよう気をつけながら歩くが、少しふらついてしまうソラン。

SG「ソラン大丈夫か？」

NA「平気だよ。」

SG「はぁー、お前な。こういう時は俺達を頼れよ。ジニヒョン、ソランの手を掴んでください。」

ユンギとジンに手を掴んでもらうと同時にソランの周りにメンバーが寄ってくる。

変な写真を撮られないよう、身体を触られないよう、皆が庇ってくれる。

NA「･･･ありがとう。」

小さな声でお礼を言うソランは少し恥ずかしそうにしていた。

NA(あ～私はこんなにも皆に大事にされてるんだ。)

愛していると言わなければ分からない。

言われても愛される事になれていないソランには愛を実感する事が中々出来ない。

それでも、手を握ってくれる人がいる。

自分を守ってくれる人がいる。

それがどんなに幸せな事なのかソランは少しずつではあるが、心に噛み締めているんだ。

レッドカーペットを渡り会場へと入ると世界中のARMYが皆を迎えてくれた。

手を振ると歓声があがる。

投げキッスをするともっと歓声があがる。

今から目の前のステージで皆は歌う。

これは事実上のアメリカデビュー。

男だらけの中で華やかな格好をしたソランから一転した姿をステージ上では見せる。