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それから、僕とスングァンはたくさんお喋りをした。
と言っても、聞かれたことに答えることの方が多かったけれど。
「ねぇ、ハル」
「はい」
「日本に戻ったらさ、やっぱり色々予定があって忙しいのかな?」
「予定、ですか?」
予定。
うーん、思いつくものとしては・・・祖父母に会うくらい?
悲しいけれど遊ぶような友達はいないし、行きたいところも特にない。
むしろ日本に帰っている間、どうやって時間を潰すか考えるのが大変かもしれない。
「祖父母に会う以外は特にないですね」
「そうなんだ・・・」
「はい」
「じゃあさ・・・その・・・もし良かったらなんだけど・・・」
「???」
「僕の買い物に付き合ってくれない?1日ずっとフリーの日があるんだけど、ほら、僕らってそんなに日本語上手じゃないし・・・」
「えっと、それは・・・」
これはさすがに断った方がいいよな・・・でも僕、スングァンのお願いには弱いんだよ。
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「ソランヒョン、今ちょっと時間ありますか?」
「今?ごめん、急いで夕飯作らないといけなくて・・・」
「そうですか・・・新しい歌を覚えたので聞いてもらえたらなって・・・」
「あー、うーん、」
「・・・ヒョン、ダメ?」
「わかった、じゃあ聞かせてくれる?」
そんな子犬が縋るような目で見られると・・・僕がOKするとスングァンの表情はパァっと明るくなった。
もう、そんな顔されたらスングァンのお願いごと、なんでも聞きたくなっちゃうよ。
聞かせてくれた歌はバラード曲で、伸びやかな声とハスキー気味なのに高音がとても綺麗にでている。
ご飯を作らなきゃいけないのに、つい聞き惚れてしまった。
「スングァンまた歌うのが上手くなったんじゃない?」
「そうですか?!やったー」
「ふふっ、スングァンは本当に歌うのが好きなんだね」
「はい!あ、でも・・・」
「ん?」
「ヒョンのことも同じくらい大好きですよ!」
「・・・ありがとう」
少し照れたような顔をしてそんな事を言うもんだから、僕も照れてしまった。
本当にスングァンは可愛くてしかたなかったな・・・。
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「ハル?ぼーっとして大丈夫?そんなに嫌だった?」
「いえ、嫌とかじゃなくて・・・」
「じゃあお願いしてもいいかな?」
「えっと・・・」
「ダメ?」
「ダメじゃないです・・・僕でよければ・・・」
あぁやっぱり弱かった・・・。
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月未(プロフ) - ruru_chandayo00さん» コメントありがとうございます!全然更新してなくて申し訳ないです(/. _.\)ゆっくりとではありますが続きを書いていますので、アップするまでもう少々お待ちくださいʕ ◦`꒳´◦ʔ (7月17日 10時) (レス) id: c1de91fe05 (このIDを非表示/違反報告)
ruru_chandayo00(プロフ) - 素敵すぎます!!更新楽しみにしてます! (7月13日 22時) (レス) @page8 id: 9f9b345cea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月未 | 作成日時:2023年4月17日 6時