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本当に聞こえていないのかと、がっかり半分ほっとするのが半分。
まだお前に面と向かっては言えない。
もう少しお前に対して素直になれるまでまだ時間がかかりそうだ。
HR「あっ！！！」
「うわっ、急に起き上がるなよ！」
HR「帰ってきた気がする！」
「は？誰が？アキか？」
HR「ううん、違う」
ハルが布団から飛び出て俺の部屋の扉を開けると、ちょうど通りかかったのかミョンホの姿が見えた。
HR「おかえりハオ」
MH「ただいま･･･なんでジョンハニヒョンの部屋に？」
HR「今からお風呂入る？入った後はもう寝る？」
MH「お風呂入るよ。上がったら本でも読もうかと思ってたけど･･･」
HR「わかった！ハオの部屋で寝て待ってるね！」
MH「え？あーうん、いいけど」
ちらっと俺を見て苦笑いを見せるミョンホ。
そのままばたばたと部屋を飛び出たハルは、俺には何も言わずにどこかへ行ってしまった。
MH「ヒョン、あの･･･」
「･･････」
俺に何かを言おうとしたミョンホから目を背け、ベッドに横になると扉は静かに閉まってしまった。
何だよ、俺よりミョンホがいいのかよ･･･くそっ、･･･でも、そんなの当たり前だ。
ハルに意地悪な俺より、優しいミョンホの方がいいに決まってる。
自分でもわかるほど眉間に皺が寄る。
悔しい？悲しい？どれも違う、きっとこれは･･･
「自分で自分に呆れるなんて俺の方が馬鹿じゃないか」
小さなため息をつき、頭から布団を被るとガチャっという音のすぐ後に体に重みがのしかかる。
「誰だよ？！･･･ってハル？お前さっきから何がしたいんだよ？！」
HR「何怒ってんの？」
「怒ってないし！つか何？さっさとミョンホのとこにいけば」
HR「うん、行く。行くけどその前に･･･」
「前に何？」
HR「つまんないと思ってたけどオッパがいたからつまんなくなかった」
「は？」
HR「たまには部屋に遊びに来てあげてもいいよ笑」
「･･･何だよそれ」
HR「ジョンハニオッパ、おやすみなさい」
「･･･あぁ、おやすみ」
あぁぁぁぁぁーーーー！もう！！
自分の部屋から持ち出したであろう枕を持って俺におやすみと言いにきたハル。
すぐに部屋を出ていったけれど、ハルの最後に笑った顔が中々消えてくれない。
ずるい･･･あんな笑顔見せられたら･･･
「好きだ、ハルが、好きだ」
ぽつりと呟いた言葉が俺の心に、いつまでもいつまでも残っていた。
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作者名：月未
| 作成日時：2020年6月21日 8時
