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ジョンハン
ブォーンとドライヤーの音だけがリビングに鳴り響く。
「本当に綺麗な髪だな･･･」
HR「ん？なんか言った？」
「何も言ってねーよ」
HR「あっそ」
つい零れた言葉を濁し、柔らかな髪を乾かす。
何か懐かしいな･･･昔は俺も長かったんだよな。
あの頃は俺もハルも長くて、でもハルがいきなり髪を切ってきたから俺だけが長髪に。
俺が切ればハルは伸ばして･･･俺らっていつもそうかも、噛み合わないんだよな。
HR「･･･ねぇ、ねぇ！！」
「え？あっ何か言ったか？」
HR「さっきから名前呼んでんじゃん！耳遠いの？おじいちゃんなの？！」
「はぁ？！ドライヤー使ってんだぞ！聞こえるわけないだろ！」
HR「･･･ﾊﾞｰｶ」ﾎﾞｿｯ
「誰がバカだ？！」
HR「聞こえてんじゃん」
「ゔっ･･･」
ドライヤーを止めて話を聞こうとすると、機嫌を損ねたのか何も言わない。
またドライヤーを使うと何かをボソボソと話し、止めると黙る。
こいつ、嫌がらせしだしたな。
そっちがその気ならと、ドライヤーを止めずにひたすら乾かす。
何かを話し始めても聞こえないふり。
しばらくすると髪はすっかり乾いて、ドライヤーを洗面台に片付けてリビングに戻るとハルは消えていた。
「は？！信じらんねー！ありがとうの一言もなしかよ！！」
あまりにも酷い態度にイライラしながら自分の部屋へと戻る。
ベッドにドカッと座ると「グエッ」と変な声が。
「誰だよ？！･･･ハル？！何してんのお前？！」
HR「嫌がらせしようとしたら･･･腰が･･･腕が･･･足が･･･痛い」
「わ、悪い･･･って俺のせいか？！」
HR「オッパのばーーーーか！！！」
手足をばたつかせ俺のベッドをぐちゃぐちゃにするハル。
嫌がらせのやり方が子供だ･･･。
好きなだけ暴れたら満足そうな顔をして動きを止めた。
こいつ歳いくつだよ･･･。
「満足したか？」
HR「うん！」
「元に戻せよ」
HR「は？するわけないじゃん」
「このクソガキ！！」
HR「ちょ、やめてよ、重い、重いから！！」
上から体重をかけると観念したのかニヤついた顔をやめて大人しく布団に丸々。
いや、それはそれで困るんだけど･･･。
顔も出さずにくるまっている布団の上からそっと抱きしめると「何？」とくぐもった声が聞こえてくる。
「好きだ」
HR「へ？なんて？音がよく聞こえないよ」
「ブス」
HR「何？なんて言ってるの？？」
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作者名：月未
| 作成日時：2020年6月21日 8時
