ワンチャン ページ39
スングァン
年末には音楽祭がたくさんある。
だからツアーの合間に僕らは韓国に帰って来てるんだけど･･･。
「毎年出てるアユクデだけど、今年は競技も1つしか出ないし寂しいよね」
HS「3人だけで出るならもう出なくてよくない？」
DN「それは言わないでくださいよ･･･」
僕ら3人だけアユクデに出るんだけど、1つ問題が起きた。
HS「で？お前何しに来たの？」
HR「応援？」
「疑問形に疑問形で返すなよ」
そうそれは、このメンバーと共になぜかハルがいることだ。
朝早くの出発で移動車に乗り込むと、そこには既に車の後部座席で眠っているハルがいた。
会場に着いて起きたところで事情を聞くと「マネージャーが迎えに来た」と。
「華やかさがいるでしょ？」と言うマネージャーを無視して3人だけでこっそり会議。
DN「絶対ヌナから目を離しちゃダメですよ！」
HS「だよな〜前も問題あったし･･･つかガードが緩いと男共が寄ってくるよな？」
「来るでしょうね。アキもヒョン達もいないなんて絶好のチャンスですからね」
あー、マネージャーめなんて余計なことをしてくれたんだ。
僕達3人でハルを守るなんてかなり重荷だよ。
でももしこれでハルが他所の男に言い寄られたり嫌がらせなんてされたら･･･僕らの命はないと思わないと。
何だかいるはずのないメンバー達の視線を感じる気がして背筋がヒヤッとする。
「･･･では、僕達3人で何があってもハルを守りますよ！！」
HS「おう！」
DN「了解です！」
「えいえいおー」なんて手を合わせていれば「やる気あるね〜」とハルののんびりとした声が聞こえてくる。
マネージャーも隣でうんうんと頷いているのがまた腹が立つ。
僕達の出番までは会場の中をウロウロしたり、知り合いのアイドル達とお喋りをしたりとハルを連れ回しつつも自由な時間を過ごした。
連れ回されたハルは面倒くさそうに僕らの後ろに隠れていたけどね。
ほんとにこいつは人見知りが酷いんだから･･･。
まぁ今はそれで助かってるけど。
と、安心していたのはほんの少しだけ。
気づけば後ろにいたはずのハルが消えていた。
DN「ヒョン！！」
HS「スングァン！！」
「えー？！僕のせい？！」
責めるような視線にブツブツと文句を言いつつハルを探しに向かった。
ディノもホシヒョンも僕とは違う方へ走って行く。
もー、本当にあの子は！！
すぐに迷子になるんだから！！
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作者名：月未
| 作成日時：2020年6月21日 8時
