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ミンギュ
なんとも目覚めの悪い朝。
何だか眠った気がしなくて頭がぼーっとする。
隣のベッドを見ればハルは規則正しい寝息をたてていて、ぐっすりと眠れたようだ。
結局、昨日の俺はただの嘘つき野郎で、とんだ最低な誕生日だった。
「･･･何やってんだろ俺」
ぽつりと呟いた言葉に返事なんて来るはずもなく、のそのそと起き上がり準備を始めた。
歯を磨き、顔を洗い、着替えを済ませ、ハルを起こす。
何度声を掛けても起きてくれず、ゆさゆさと体を揺さぶって無理矢理起こす。
それでも起きてくれないから仕方なく･･･仕方なく！！体を持ち上げてベッドに座らせた。
「おはよう。ごめんね無理矢理起こして」
HR「･･･抱っこ」
「はい？」
HR「顔洗う･･･抱っこ」
「はいぃぃぃぃ？！」
HR「眠い･･･眠･･･ぃ」
またベッドに横になりそうなハルを慌てて抱っこして洗面台まで運ぶ。
鏡の前に立たせると全く動かない。
寝てる？いや、さすがに起きてるよね？
HR「歯ブラシ･･･」
「え？」
HR「歯ブラシちょーだい」
「･･･はい」
歯ブラシに歯磨き粉をつけ、ハルに手渡すとやっと歯磨きを始めた。
コップに水を入れ手渡し、うがいをさせた後は顔をパシャパシャ洗うハルにタオルを渡す。
HR「ミンギュ、服」
「俺が出すの？！」
HR「･･･じゃあこのままでいい」
「出すから！出すからパジャマで外でないで！！」
スーツケースを開くと、上下セットにしてある洋服を取り出す。
一瞬見てはいけない下着が見えそうになり、急いでスーツケースを閉じたら手を挟んでしまった。
痛い･･･
「待て待て！着替えは向こうでやって！」
HR「ん〜？は〜い」
俺の目の前で着替えようとするから洋服を手渡すと、その服をズルズルと引きずったまま洗面台へと歩いていくハル。
え、待って、朝っていつもこうなの？！
さすがに甘やかしすぎじゃない？！
子供じゃないんだから1人でやらせなよ！！
HR「ミンギュ〜服が･･･」
「何をどう着たらそうなるのさ？！」
HR「これ複雑すぎ･･･」
「普通の服ですけど？！こっちおいで！」
HR「へ〜い」
服の裾はだらしなく出ていて、スボンのベルトはゆるゆる。
さらにボタンは掛け違えていて、何だろう･･･将来子供が出来たらこんな風にお世話するのかな、俺。
奥さんがハルだったら･･･確実に俺が世話する事になりそうだ。
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作者名：月未
| 作成日時：2020年1月8日 20時
