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アキ
嫌な事を言われる事も、アンチに何かされるかもしれない事も、全部覚悟してSEVENTEENに入ったんだ。
ハルは俺が怒りそうになったら必ず手を握り、落ち着けと合図する。
傷つけられるハルを見て泣きそうになる俺をハルが慰めて、大丈夫だと笑ってくれる。
それが俺達の約束。
だから俺はあいつが楽しいと言うならそれを信じるし、満足していると言うなら口は出さない。
そう決めているけど、時々苦しくなるんだ。
JN「ねぇアキ、今度アキも一緒に中国行こうよ!」
「俺はあれはまだ許してないからね!ハルの事拉致しやがって!」
JN「まぁまぁいいじゃん。向こうに行けばハルは言葉わかんないし、アキだってまだ中国語下手っぴだから何言われても全く気にならないでしょ?」
「うるせぇー!・・・だいたい、それじゃヒョン達が気にするだろ。きっと嫌な気持ちになるよ」
JN「可愛い弟の負担が減るならなんてこたないさ〜」
「こういう時だけ優しさ出すなよ」
JN「酷ーい!僕はいつだってアキの事を可愛い弟だと思ってるよ!」
ウザイほどに優しいヒョン。
JN「アキ、僕はね、ハルの笑顔が好きなんだ。泣いてる顔はもう二度と見たくない。でも・・・あっ!ここから僕はとーっても良い事言うからね!」
「何?」
JN「アキの悲しい顔も見たくない。可愛い可愛い弟には笑ってて欲しいんだ。だから君たちの為なら僕は何だってするよ」
「・・・何だよそれ」
JN「いつだって胸を貸してあげるって事だよ!」
両手を広げて俺を抱きしめたヒョンは優しく頭を撫でてくれた。
あーもう!これだから俺は、この人を心の底からは嫌いになれないんだ。
気が済むまでヒョンに愚痴って、気が済むまでヒョンの胸で泣いて、俺達はそれぞれ部屋へと帰った。
ベッドでぐっすりと眠るハルの隣に寝転ぶと、ヒョンに抱きしめられた時の温かさを思い出した。
その温かさを分け与えるように俺はハルに抱きついて眠った。
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作者名:月未 | 作成日時:2020年1月8日 20時