夢と現実の狭間 ページ18
バーノン
この世界、俺には時々時間の経過が早すぎる時がある。
ついさっきソファに座って音楽をかけ始めたと思っていたのに、時計を見れば既に2時間が経っていた。
おかしいな？
そんなに曲を聞いたかな？
う〜ん、不思議だ。
でも1番不思議なのは隣にいるこの子だよな。
HR「･･･zzZ」
「寝てる･･･よね？いつ来たの？」
HR「･･･zzZ」
「まぁ返事はないか」
来るはずのない返事を求めるのは意味の無い事だと思うが気になってしまう。
この子はいったいいつ寝たのだろうか？
というかいつから隣にいたのだろうか？
すぅすぅと寝息をたてているハルは何か楽しい夢を見ているのだろう、顔がヘラヘラと笑っている。
リビングを見渡しても誰もいない。
もちろんアキさえも。
そこでやっと気づいたんだ。
俺たちは今この瞬間、2人っきりなのだと。
フラフラと揺れる頭を肩に寄せると程よい重さがかかる。
「なんの夢を見ているの？」
柔らかな頬に手を触れ、さらさらと撫で回すと擽ったいのか、 ハルの口がへの字になってしまう。
それでもやっぱり夢の中は楽しいらしく、すぐにまた口元が緩く弧を描く。
HR「スン･･･グァナ･･･」
「スングァンの夢？」
HR「へへっ、お腹が･･･まん丸･･･」
「･･･スングァンはいったい夢の中でどうなってるの？」
HR「風船･･･破裂･･･へへっ」
「わぁお、大変な事になってるみたいだ」
夢の中のスングァンを想像すると、ハルと同じように俺まで口元が緩くなってしまう。
こんなのスングァンにバレたらうるさいだろうな〜。
肩にもたれかかる頭にそっと自分の頭を寄せ、俺も目を閉じる。
あー、なんだか眠くなってしまいそうだ。
今寝たらハルと同じ夢を見れるかな？
だんだんと意識が遠のいていく。
そして気づけば･･･
SG「ボノナ、ボノナ」
「うぅ･･･ん、ダメだよスングァナ･･･」
SG「僕がどうしたの？」
「お腹出したら･･･風邪ひくよ」
SG「僕は夢の中で何してんの？？」
「･･･！あれ？スングァン？ハルは？」
SG「ハル？さぁ？僕が来た時はもういなかったよ」
「え？おかしいな･･･夢だったのかな？」
SG「何が？ハルと何かあったの？」
「･･･ううん、なんでもない」
もしかして全部夢だった？
でも、そうだとしてもとても良い夢だったな〜。
また同じ夢をみたくて俺は目を閉じた。
SG「いや、起きんかい！！！」
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作者名：月未
| 作成日時：2020年1月8日 20時
