俺のやり方 ページ13
エスクプス
メンバー全員(アキを除く)がハルを好きだと知ってから、弟達への見る目が変わる。
じゃれあっているだけだと思っていたミンギュも、世話好きなだけだと思っていたミョンホも、姉という存在に憧れているだけだと思っていたディノも、全てが下心ありありの男にしか見えてこない。
まぁ弟じゃなくてもハニやジョシュアでさえ、何か企んでいるのではと勘ぐってしまう。
・・・どんだけ心狭いんだ俺は。
メンバーならハルを幸せにしてやれるだろうと考えていたあの頃の俺に教えてやりたいよ。
『お前は嫉妬深く、独占の強い男』だと。
けれど諦めるという言葉は俺の中には一切ない。
だから俺は俺のやり方でやっていこうと思う。
「こら、お前はどこに行こうとしてるんだ」
HR「げっ、」
「げってなんだよ?お前な、何も言わずに控え室を出るんじゃないよ」
HR「いや〜ちょっと外の空気を吸おうかと・・・」
「ったく、しかたねーな」
なんでついてくるの?って顔をするから、『ナンパされたら困るだろ』と言うと渋々ながら納得したようだ。
「おい、あんまりキョロキョロして歩くなよ。転ぶぞ」
HR「転ばないし」
「あっ」
HR「なぁっ!!・・・セーフ!」
「セーフじゃねーよ!」
言ったそばから何もないところで躓く。
がしかし、持ち前の運動神経でくるんと一回転してみせたハル。
セーフとドヤ顔して見せるがアウトだ馬鹿。
腕を掴みハルを立たせ、そのまま歩く。
手を繋ぎたいところだがさすがに恥ずかしいし、振り払われたらショックだから腕を掴んだままにしておいた。
HR「何か悪い事して連行されてるみたい・・・」
「脱走兵を捕まえたんだから当然のことだろ」
HR「ゔ〜」
「ほら、しっかり歩け」
HR「もー!」
プンプンと怒るハルが可愛くて、つい意地悪をしてしまった。
・・・なんか、ジョンハンとかジョシュアみたいで嫌だな。
俺のやり方なんて言いつつ、結局はどうしていいかわからないんだよな〜。
たまには褒めてみるか?
「あー、その・・・この前の衣装、すごく似合ってたな」
HR「この前?どの前?」
「・・・ダメだこれじゃない」
HR「何が??」
「いや。そうそう!前にお前がホシに提案してた振り付け、俺はいいと思うぞ」
HR「ほんと?!」
「うん。ホシも乗り気だったし、もしかしたら次の曲に入れるかもな」
HR「やったぁ!」
嬉しそうに笑うハルに胸がドキッとする。
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作者名:月未 | 作成日時:2020年1月8日 20時