これが彼の通常運転。5 (ページ39)

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JIMIN×SORAN② ページ39

すぐに戻って来たソランの手には写真立て。

その写真立ての中には子供が3人写った写真が入っている。前にシンラくんに見せられた写真だ。

「･･･この日に気づいたんだ。」

この写真には、ナムジュニヒョンが撮った映像が関係しているらしい。

お父さんがいなかったソランはいつもいじめられていた。反撃しようと思えば出来るけど、ソランにはやらない理由があった。

それはいつも助けてくれるスヨンさんがいたから。自分の為に怒ってくれるのが嬉しかったんだって。

スヨンさんは女の子なのに、凄く強くてかっこよくてソランは憧れてた。

でも、あの日スヨンさんが殴られたのを見た時に自分がなんて酷いことをしていたんだって後悔したんだって。

「･･･初めて人を殴った。」

「･･･殴られるのも痛いけど殴る方が痛いんだね。」

下を俯きながら言うソランはどこか悲しそうだった。

誰かを殴ると心が痛くなる。そんな事をスヨンさんにさせていた。

あの映像で睨みつけるようにしていたのは自分に向けての苛立ちだったんだ。

でもそれは、これからは自分がスヨンさんを助けようと決めた瞬間でもあった。

その時やっと気づいたんだって。友達としてじゃなく、1人の女の子として好きなんだって。

僕が頭を優しく撫でるとソランは少しだけ顔をあげた。

お互い無言のまま時間が過ぎていく。

「･･･なぁジミン。」

「･･･明日、シンラが日本に引っ越すんだ。」

また顔を下に向けて小さな声で呟くソラン。

シンラくんはずっと日本に住みたがってた。ソランはそれを知っていたのに、知らない振りをし続けていたんだって。

「･･･今度は俺がシンラを応援しなきゃ。」

そう言うソランの顔はどんな顔なんだろうか？下を向いていてよく分からない。

そっかぁ、寂しくなるね。

僕がソランの手を握りながら言う。

「･･･別に。すぐ会えるから平気。」

これはきっとソランの強がりだ。本当は寂しいに決まっている。

シンラくんは産まれた時からずっと側にいた親友だもん。

長い沈黙に耐えれなくなって僕は話しを変えることにした。