これが彼の通常運転。5 (ページ3)

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最後の映像② ページ3

アップされた映像はソランのものだった。

真っ白な風景の中に1人で立っている。

カメラは正面からソランを映している。ソランはいつもと同じ無表情だ。

そのソランの背中を叩く人がいる。ソランが振り向くとそこには1人の女の子が立っていた。

女の子は真っ白なワンピースを着ている。すごく綺麗な人だ。

両手で裾を掴みクルクルと回った後首を傾げる女の子は、ソランに向かって似合っている？と聞いているようだ。

少しの間2人が見つめあっている。女の子は怒ったり、笑ったり表情がころころ変わる。

少し困った顔をしてソランに手を伸ばす。その手をソランが掴もうとするが、触れる瞬間ソランは後ろを振り向いた。

まるで誰かに呼ばれたかのように。

振り向いても誰もいないはずなのにソランは手を伸ばした。

彼女はそんなソランの頬を両手で包み、優しく微笑んだ。自分の手を彼女の手に重ねるソラン。

また見つめ合う2人。

少しづつ彼女の体が薄くなっていき、最後には消えてしまった。

ソランはしばらく自分の両手を見つめていたが、1歩1歩と歩き始める。

歩いた先に1つの扉がある。

その扉を開くとそこには1つの椅子を囲むように立つメンバー。

ソランは迷いなくその椅子に座る。そして全員が揃った防弾少年団。

そこで映像は終わった。

映像を見た後の彼らはほっとしているようだ。心のどこかでソランが辞めてしまうのではないかと考えていたのだろう。

今までの映像は全てソランの過去。彼はどれだけの思いを抱え込んでいたのだろう。

他の人には測り知れないほど悲しい思いがあったはずだ。

彼が無表情で無口な事には理由があった。彼らは皆そう感じていた。

この後にあるVLIVEの為に彼らはまだ部屋に残っている。しかし、ジミンだけは部屋を出ていってしまった。

ジョングクがそれを追いかけ、ジミンの部屋の前に立ち声をかけている。

その時、他のメンバーはなにをしているかというと。

ジンは落ち着かないのだろう、ソファの周りをグルグルと動き回っている。

ユンギはソファに深く座り腕を組んでいる。

ホソクとテヒョンは隣同士に座り、不安そうにしているテヒョンの背中をホソクが優しく撫でている。

ナムジュンは何か考えているのか顎を触っている。

Vアプリから通知が来る。今からソランのVLIVEが始まるのだ。