これが彼の通常運転。5 (ページ14)

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本音⑥ ページ14

V

え～っと、俺もCDちょーだい。

ソランに何て言えばいいのかわからなくて、咄嗟に出たのがこれ。

もっと他にあるだろ俺。こういう時、頭が上手く回らないのが嫌になる。

「･･･ユンギヒョンにあげたから、もうない。」

「･･･今度ひらがなの歌詞カードと一緒にあげる。」

そう言いながら顔はシンラくんに向けているソラン。

『また準備するの俺かよ。まぁいいけど。』

面倒くさそうに言うシンラくん。またって事は今までのもシンラくんがやってくれてたのかな？

いつも君がひらがなの歌詞カード作ってくれてたの？ありがとう。

そう言うと、シンラくんはニッコリ笑顔を俺に向けてくれた。

病室で会った時や宿舎に来た時と、全然雰囲気が違う。あの時の彼はどんな気持ちだったんだろう。

そう考えていると、気づけばソランではなくシンラくんを見つめていた。

『病室で皆さんが出た後、ソランにめっちゃ怒られました。』

『でも、俺間違った事は言ってないから謝りませんよ。』

『皆さんはこいつの事、ちゃんと知るべきだと思います。』

シンラくんが俺を見て言う。でもきっとこれは俺たち全員に言ってるんだと思う。

ちゃんと知るべきか。

そうだよな。俺達はソランの事知ってるようで知らないんだ。

今度はソランを見つめたまま俺は黙ってしまった。