真っ赤な短編集~

＊ ページ27

Side Ym









狙いはこれだったのか。



冷静に考えるも、

俺的にはぎゅってしたかったりもする。






細いけど暖かい腕の中。



うん、行きたい。





でもそれじゃあいかにも掌で転がされてるようでいやだ。




でも行きたい。








それをニヤニヤしながら見てる伊野ちゃんはこれまたタチが悪い。






散々脳内で格闘を経た末に、


おとなしくひょろい腕の中に収まってやることにした。







「んふふ〜♪」なーんて満足げに鼻を鳴らすのが聞こえる。







今回だけだかんな。









「結局、」



「ん？」



とぼけたように聞き返してくる伊野ちゃん。





「さっき聞き取れなかったの、

なんて言ってたんだよ。」




「ああ〜、あれかぁー」





「ん〜」って少し考える素振りを見せたあとちっちゃく、「山田の所為だって言ったんだよ。」と呟いた。






「山田が可愛すぎるのが悪い。


時々無性にハグしたくなりすぎるの。」









ばかやろう。





伊野ちゃんのくせにちょっと耳赤くなってんじゃねーよ。








ばーか。








今回だけなんて嘘だから。



いつでもハグぐらいしてやるし。





〜fin〜







素直じゃない山ちゃんが好きです(笑)。


いつも読んでくださってありがとうございます：)




ーシャンデリア

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