真っ赤な短編集~

抱きしめたい inym ページ24

Side In





歓声がまだ鳴り止まない中、


俺たちの最終公演は幕を閉じた。






「おつかれーい！！」


「うぇいいい」


「ありがとうございました〜！」






バックステージでは拍手が響き、

熱が覚め切らないまま楽屋へとふらふら歩いてた。








２８公演終わっちゃった、







そう思いながらも心はなんとも言えない達成感に満ち溢れていた。




何気なく高木の隣に並び今日の失敗のことで盛り上がる。


冷静な感覚もぶっ飛んでいて、

どうでもいいような事全てが面白くて仕方なかった。









「うあははは、

やめろよ山田！」






急に後ろからドンッとよろけた大ちゃんとぶつかって振り返ると、


その隣にはニヤニヤしながらおへそをつついていたであろう山ちゃんがいた。






「うわっ、ごめん！」



すぐさま謝ってくる大ちゃん。






「ほら、だからやめろって言ったじゃんよ〜」




「ごめんよ〜


伊野ちゃんもごめ、、」






おぼつかない足取りでこっちに振り返った山田、







危なっかしいな、


そう思った瞬間ふわっと甘い香りがして目の前が山田の顔でいっぱいになる。







「…いった、」









あ、もしかしてこれ、


床ドンってやつですか。



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