蝉の1週間 arym

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Side Ar





無事引き止めれたそいつをソファーに座らせて俺もその隣に座る。




うし、

事情聴取だ。





あ、自己紹介からか。









「俺は有 岡大貴、25歳。

仕事ではソフトウェア開発してる。


お前は？」





「…蝉。」








「……ん？」





「蝉だ。名前。」






少しイラついた様子で腕を組んだまま言われる。




…最近の親は随分と不思議な名前を子供につけるんだな。





「へ、ヘぇ〜。



んじゃあ、

蝉はなんで雨の中ずぶ濡れですわってたの？」







「チッ」





おう、怖っ。







「別にお前に関係ない。」






"これ以上聞くな" 感ハンパない。


それにさっきから、せっかくととのってる綺麗な顔の眉間にシワよりっぱなし。



どうしたんだ？







でも答えてくれないとと逆にもっと知りたくなる。





自分で言うのもなんだけど、

俺ってめんどくさいよね。





「なんだってよくないから聞いてんじゃん。

お前みたいな子供が夜中にあんなとこに…」





「…うっせぇ。」







小さく肩が震え出して、

蝉は左耳を強く掴んだ。



あまりにも強く握りすぎて耳取れちまうんじゃねぇか心配になるぐらい。







「っぅおい！？


大丈夫かよ！？」





薄く汗が滲み始めた肩に手を置くと、


躊躇なく弾かれ睨まれる。







「黙れ。






…殺すぞ。」




あまりにもすんなりと耳に入った言葉と、

一切光の灯されていない眼差しに背筋が凍った。








こいつ本気だ。





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