蝉の1週間 arym

4 ページ4

Side Ar







濡れたスーツから着替え終わり、

一息ついてリビングのソファーに倒れこむ。








このあと、どうすっかな…



勢いでうちに連れてきて、

服押し付けて風呂に行かせたはいい。







だけど俺、

なんも考えてなかったから今後のことノープランです。





とりあえず名前とか年とか聞いて、


あ、あと親がどこにいるかとか。









あんま使えない頭をフル回転で悩んでると、


ペタペタと素足で歩く足音が聞こえた。








すぐさま振り返ると、


俺の貸した白いタンクトップを着て、

髪から水滴を垂らしてる風呂上がりのそいつがいた。









「世話になった。帰る。」









短く言い捨ててそのまま玄関へ向かおうとするから慌てて立ち上がって追いかける。




「おいおいおいおい、

ちょ、ちょっと待った！！」



「…んだよ、」



「外まだ雨降ってるし、真っ暗だよ！

こんな時間に歩いてたら危ねーよ」




「危なくなんかねぇよ。」






引き止めるも予想以上に冷めたトーンで返される。









なんでかわかんねえけど必死だった。



今帰らせたらいけない気がするんだ。

空っぽな目してるくせに。








「っあと、服服！！

お前の濡れちゃったやつ今洗濯してるから！」





ピタッと止まるそいつ。









「…もう少し世話になる。」









っしゃ！！

勝手に洗っててよかった〜。





.

5→←3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す