蝉の1週間 arym

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Side Ym







「ほらよ。」




ずらりとダイニングテーブルの上に皿を並べると、


キラキラした目で見渡す有 岡。







「い、いただきまーす！


うんまーーー！！」







勢いよくガッツいたと思ったらすぐに叫ぶし、


忙しい奴。







座れ座れとジェスチャーされて素直に反対の席に腰をかけると嬉しそうに微笑まれた。



こんな純粋な笑顔を見たのはいつぶりだろうか。








「これで手当の借りは返したからな。」




「別に気にしなくてもいいって言ったじゃん。


てか蝉、めっちゃ料理上手いんだな。」





ったりまえだろ。


それと口いっぱいに頬張りすぎだわ。









“蝉のごはん相変わらずうんまい！！

まじで嫁に欲しいわ〜”



“うっせー”



”え、ごめんごめん、

とか言いながら顔真っ赤じゃん”









…なんでこうゆう時に思い出すんだろ。


温まった気がした心は急激に冷めていった。








キィーーン









まただ。



昨日から一気に増えた耳鳴りの数。









なんにも考えられなくなる。





そうさ、


俺にはあいつがいなかったら1人なんだ。



誰もくだらない話をする相手がいない。

この音を紛らわせてくれる人間なんて存在しなくなるんだ。








うるさい、黙れ。


イライラする。









．









うそ、

ひとりぼっちはイヤだよ。




.

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