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155:ギャルとガタ ページ5

「アイツ、まだストックがあったのかよ…ッ」

Aは後方へ飛び退き、向かってくる改造人間から避ける。
改造人間側もおってくる気配はない、狙いは悠仁なのだから。

「悠仁…!」

「Aさん、後ろッ」

改造人間三匹に襲われ、悠仁は一旦退く。
彼は今、これを人間だと視認し祓っていいものなのか見兼ねている。

そんな中、Aへと真人は迫った。
七海が呼び、Aは後ろへ迫る真人へと術式を使う。

Aが即座に真人を引力で地面に縛る。
そして、七海が鉈を振るった。
だが、真人とて体の自由がない訳では無い。
彼は腕を鋭利な刃物に変え、七海を切り刻もうとする。

斬撃が飛んだ。
真人から距離を取った七海とAは、体を咄嗟に低くし斬撃から避ける。

「やっぱりアイツ、人間殺せないだろ」

嘲笑的に真人は笑う。

悠仁は、遠くで改造人間三匹との交戦を繰り広げている真っ最中であった。

嘲笑的な笑みと、真人の態度、台詞、それら全てがAの感情を逆撫でする。


「お前に、人間の何が分かんだよ」


地獄の底から響き、その声は真人の足を掴むようだった。
真人は、あはっと声を出しそれはもう至極爽やかな、けれどドス黒い笑みを浮かべた。


「分からせてみろよ、虫ケラ」


真人の腕が瞬時に変化を遂げ、長く伸びた刃物へと変わる。
真人は力任せに振るい、Aと七海が避けた。
二人は互いに挟み撃ちの形で、真人を追い込む。
肉弾戦攻撃スピードなら、Aの方が七海よりも早い。

Aは呪力を纏った拳を、真人へぶつけようとした途端だった。



ガクン、突然地平線が斜めになった。
いや、地平線が斜めになったのではない。
自分が、Aが、崩れたのだ。


「やっとか…!」

真人が嬉しそうに声を上げる。

Aは口で必死に息をし、地に膝をつく。
視界が揺らいでいた。チカチカと点滅もしている。
息がしづらい。立てない。
左腕が、背中が、焼けるように熱い。

自分の心の底に扉があるのだとしたら、今その扉を激しく叩かれているのだ。
あの呪霊。自身の中に居着く、正体不明の呪霊が。
紛うことなき呪いが。

「Aさん…ッ!」

七海はサングラスの奥で瞳を小さくさせた。

随分前から、七海は可笑しいと思っていたのだ。
彼女はここ最近、呪力使用量がかなり多かった。
それが蓄積され、漸く今上限を超えた。


ここまで耐えれていたこと自体、可笑しかった。


体にガタが出始めている。
限界を迎えている。

156:ギャルと爆発力→←154:ギャルと廻戦



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鼻毛太郎(プロフ) - 華花。さん» コメント有難うございます!これでいいのか...?と悩む時期が続いていた中、温かいコメントを頂けて本当に泣くほど感謝してます;;現在5章目を製作中なので、しばしお待ちを…!今後もギャルと呪術を宜しくお願い致します! (2021年4月21日 11時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - いつも緊張して送れませんでしたが初コメント失礼します!もう作者様は言葉選びから構成まで最高すぎます…素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます! (2021年4月20日 23時) (レス) id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年3月1日 0時

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