183:ギャルと百合 ページ33
Aに肩を回し、あぁんコラおうコラとチンピラ如く突っかかる。
「Aさんに文句言いてぇなら、菓子折りぐらい出すのが礼儀だろうがよォ!京都土産譲渡しろオラァ」
「しゃけぇ!!!」
「野薔薇ぁ、威嚇すんなー。棘ぇ、悪ノリすんなー」
どうどう落ち着け、抑えるA。
しかし、それでも野薔薇はお腹を空かせた狂犬宜しく喉を鳴らす。
その光景に、京都校三年の西宮桃は「何あの一年…こわ…」と引き気味に呟いた。
「しかし…乙骨が居ないのは良いとして、一年二人はハンデが過ぎないか?」
「舐めてもらっちゃ困るね。誰が仕込んだと思ってんだよ、私だぞ」
Aは二年メカ丸の言葉に、口の端を吊り上げ返す。
「それは楽しみですね。特に、伏黒君。元々彼は宗家よりよほど出来が良い」
デリカシーのない加茂の言葉。
真衣はあからさまに舌打ちをする。
京都校内部まで空気がピリつくのを察したのか、二年に三輪霞が彼らを宥めた。
内心、『生可借夜A!!?う、うっわぁ〜〜本物!!やばい本物!!美人!!オーラ!!!強者の風格!!!っくぅ〜〜握手してぇ〜!!』と泣きながらAを崇めたい気持ちだった。
例の五条との関係も勿論気になるが、やはり一番は彼女の研究。
そして、彼女をリーダーに置く研究機関。
どうしたら、そこに入ることができますか。
なんて、聞きたい気持ちでいっぱいだ。
「いやぁ、内輪で喧嘩!いいねぇいいねぇ、雰囲気出てきた!!」
Aが嬉々として声をあげた途端、ピリつく空気に割って入った手を叩く音。
「内輪同士で喧嘩しないの。それと、A。すぐに煽らない。もう…、昔っから楽しそうなら火に油を注ぐのを厭わないクセ、治しなさいって言ったでしょ」
石階段を上がり、現れた姿にAは目を丸くした。
驚いたんじゃない。
「歌姫!!」
嬉しくて。
Aは、彼女が石階段を上がりきったと同時に走って飛びついた。
「会いたかった〜!もう、超久しぶりだね!」
すりすりと歌姫の頬に自身の頬を摺り寄せる姿は、飼い主を見つけた犬を彷彿とさせる。
歌姫はといえば「はいはい、そうね。ったく…」と呆れつつもAの行為を受け入れていた。
すぐに人の肩に腕を回し、撫でたり、抱きしめたり。
やっぱりこの人距離感バグってんな。
Aを知る一同は思う。
「今度いつ空いてる!?遊びに行こうよ、歌姫〜」
「アンタこそいつ空いてんのよ。私より忙しいクセに」
920人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鼻毛太郎(プロフ) - 華花。さん» コメント有難うございます!これでいいのか...?と悩む時期が続いていた中、温かいコメントを頂けて本当に泣くほど感謝してます;;現在5章目を製作中なので、しばしお待ちを…!今後もギャルと呪術を宜しくお願い致します! (2021年4月21日 11時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - いつも緊張して送れませんでしたが初コメント失礼します!もう作者様は言葉選びから構成まで最高すぎます…素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます! (2021年4月20日 23時) (レス) id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年3月1日 0時