139:ギャルと瓦落瓦落 ページ39
呪力開示を終えると七海は走った。
七海を追う真人。
それをAが阻む。
「俺と君を引力で結べば、攻撃を与えるなんてすぐなんじゃないの?」
Aの攻撃を何とか受け流しつつ、真人は七海を追う。
「いいんだよ、私の攻撃じゃ再生しちまうでしょ。でも、広範囲で粉々にしたら……お前どうなんの?」
にた、Aが厭らしく笑みを見せた。
同時、七海が呪力を纏わせた拳で岩壁を殴る。
真人は目を見開いた。
Aの姿は既に近くにない。
七海の術式、十劃呪法による拡張術式『瓦落瓦落』
広範囲に呪力を纏わせた岩壁が真人の真上へ落ちることも、全て理解した上でのAの退却。
真人の足止めがAの仕事。
「流石に…避けた方がいいかな」
真人が退却しようとした同時、体の自由が効かない事に気づく。
ハッとしAの姿を探した。
「絶対必中にしてやるよ」
「引力による結び…ッ」
真人が理解する瞬間、Aの術式は真人の片足膝から下を圧迫し潰した。
『阿羅漢』による呪力解除は、普段の倍以上の呪力を解放すると同時に高度で緻密な呪力操作へステータスを振る。
呪いによる都合上、真人の体を全て圧迫する呪力量を注ぐ事は出来ないが、片足一本を破損させる程度は何とか平気だ。
本日の呪力使用量は、これが精一杯。
真人はバランスを失い、その場にへたりと座り込んだ。
「一旦退きましょう」
七海が言う。
Aはグッと背伸びをし、真人へ呼びかけた。
「聞きたいこと山ほどあったけど、帰るわ。当たりたくねーし」
じゃね、生きてたらだけど。
Aが言い残した瞬間、瓦礫は真人へ崩れ落ちた。
___。
彼女の残穢に触れると、時折妙な記憶を見せられる。
肉体の記憶。
会話し、触れ、重なり、抱き。
それが、この肉体_夏油傑と可借夜Aが築いた時間なのだろう。
死して尚、彼女のことを思い出すか。
深層心理に根付く記憶。
夏油傑にとって、可借夜Aの存在はそれほどまでに大切だった。
夏油傑、君は堕ちてまで“彼女が呪われない”世界を作ってやりたかったのか。
「愚かだな」
ふ、と口元を緩める。
その顔こそ、夏油のものであった。
フードを脱ぎながら、地下道の光景に夏油は口笛を吹く。
木っ端微塵に崩れた瓦礫の山。
到底人間業ではなかったものの、それが術式により作られた物だというのは理解出来る。
「お、」
瓦礫の下から、にゅるんと何かが這い出た。
それはどんどん形を作り、人型へと変わる。
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鼻毛太郎(プロフ) - あーるさん» コメントありがとうございます!🙌原作があんな感じなので、いいでしょとぬるっと入れてます笑笑気づいて楽しんで下さる方が居るなら幸い…!更新速度遅めですが、ぜひ今後も宜しくお願いいたします🤍😌 (7月4日 17時) (レス) @page25 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - 夢主のジャジャン拳発言に笑ってしまいました…原作も「これ絶対ハンタ意識してるだろ」って所あるし、赤どこかいている作者さん…色々浮かんでしまいました。笑。2作とも更新頑張ってください! (7月4日 17時) (レス) @page25 id: b1f847ba2a (このIDを非表示/違反報告)
世も末 - 返信ありがとうございます。鼻毛太郎様がお考えになる設定めちゃめちゃ好きなので、桐壺と夢浮橋のお披露目楽しみにしてます(;_;)!!(直哉のお話も楽しく読ませて頂いています)お体にお気を付けて、鼻毛太郎様のペースで更新頑張ってください(/*´ `)/ (2021年2月23日 3時) (レス) id: 6fde9aa103 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 世も末さん» 桐壺と夢浮橋、この2つの呪具はなんと今後も本編にて登場します!ちなみに、予定は攻略会にてです!とはいっても、1つのみしか出てこず(夢浮橋は壊れたので)…ですが、0の方では両方出ます!オリジナル呪具ですが、姿も形も一応は決まっていてお披露目が楽しみです…! (2021年2月21日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 世も末さん» コメントありがとうございます…!戻ってきて下さる事がとっても有難い;;かなり修正も完了して、今は漸く幼魚と逆罰に突入を果たせました…これから訪れる地獄に、先輩が耐えられるか否かを描くのがとっても楽しみです...!丁寧にお返事返したいので、長くなります! (2021年2月21日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年1月18日 0時